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パリ 必需品はお忘れなく

2018年07月09日

 首に巻いた使い古しのスカーフと水泳用のゴーグル。パリでたびたびデモを取材するが、同じ格好の参加者をしばしば見かける。「催涙ガス対策だよ」。ディディエ・バロワさん(51)が言った。白煙が流れてくると、スカーフで鼻と口を覆い、ゴーグルをするという。

 フランスでは職場の待遇改善を求め、デモが頻発する。数万人が行進する大通りは数キロにわたって封鎖され、沿道には軽食の売店も。ちょっとしたお祭りだが、毎回、過激派と警官隊の小競り合いが起きる。そのたび石やビンや催涙弾が飛び交う。対策は欠かせない。

 混乱の中心にいるのが、反権力や反資本主義などを掲げる全身黒ずくめの集団だ。メーデーでは、米資本のハンバーガー店を破壊した。バロワさんは「彼らは騒ぎたいだけ」と冷ややかだが、その存在はもはやデモの風景になっている。

 メーデー後、仏警察は数百人の聴取を始めた。特定の組織に属していない過激派の取り締まりは難しく、「警察の動きが遅すぎた」との批判もある。パリのデモに、スカーフとゴーグルがまだまだ必要なようだ。 (竹田佳彦)

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