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モスクワ 交流の芽を摘むのは

2018年07月23日

 「モスクワの暮らしはどう?」。米フロリダ州に移住したロシア人の知人から久しぶりに連絡があった。

 20代でプログラマーの彼は3年前、高給を求めて母国を離れた。何とか適応しているようで「サンフランシスコに移り、もっといい仕事を探そうと思っている」と言った。

 今、彼のように、アメリカンドリームを追ったり、米国を旅したりするロシア人にとっては厳しい状況が生まれている。

 プーチン政権は昨夏、米国の対ロシア制裁への報復で、ロシアにある米大使館などで働く米外交官や現地職員を755人削減。さらに今春、英国で起きたロシア人元スパイ襲撃事件に絡み、米国が追放したロシア外交官と同数の米外交官60人を国外退去させた。

 職員が激減した結果、米国への入国査証(ビザ)の発給手続きは大幅に遅延。ロシア紙によれば、ビザ取得のための面接は最長250日待ちで、バルト三国や中央アジアの米大使館での取得を試みる人も多い。

 「政治と人の交流は別」とも言われるが、現実は政治が人を大きく翻弄(ほんろう)する。米ロ関係改善の芽が少しずつ摘み取られている。 (栗田晃)

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