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パリ 慕われ続ける存在感

2018年07月21日

 パリにある国連教育科学文化機関(ユネスコ)本部で先日、1999~2009年までアジア人初の事務局長を務めた松浦晃一郎さん(80)の傘寿を祝う会が開かれた。退職者組合の主催で、同様の祝賀会は歴代事務局長のためにも開かれたという。

 松浦さんは在任中、放漫財政や縁故主義がはびこる人事制度の見直しなどユネスコ改革を進めた。2003年には、1984年に脱退した米国が、改革を評価して復帰した。

 在任中の功績をたたえる幹部のスピーチに続き、記念コンサートやパーティーも。元同僚や各国要人、職員ら数百人が集まり、旧交を温めた。

 ユネスコは近年、また米国やイスラエルが脱退を表明。関係者は「ギスギスした雰囲気がある。松浦さんの時代を懐かしむ職員も多い」と話した。

 あいさつに立ち、職員や家族に感謝を伝えた松浦さん。取材に対して「職員には議論だけでなく、行動して結果を出すことを心に置いてほしいと思っている」と語った。単純なようで難しく思えるが、口調は確信に満ちていた。「できる」と思わせる存在感が今も慕われる理由なのかもしれない。 (竹田佳彦)

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