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上海 手荷物検査できる訳

2018年08月05日

 東海道新幹線で乗客3人が殺傷された事件直後、高速鉄道がひっきりなしに発着する上海虹橋駅で、中国人の乗客たちに話を聞いた。中国では駅でも手荷物検査は当たり前だ。

 ある男性は「検査は面倒。でもそれで安全が保たれるなら、やはり必要だ」と話した。代表的な意見だ。

 共産党大会や全国人民代表大会などがあると、北京でなくても、チェックはさらに厳重になり、長蛇の列ができる。私も高速鉄道に乗るときは、念のため発車1時間前には駅に着くようにしている。高速鉄道の駅は、感覚的には日本の空港に近い。

 中国では、地下鉄の駅でも手荷物検査が行われている。以前は検査を無視しても何も言われなかったが、最近はすり抜けようとすると、係官が前に立ちはだかるようになった。厳しくなった理由を尋ねると「上からの指示だ」とひと言。

 近年、中国では、鉄道車両内で重大事件が起こっていない。その背景に、厳格な検査があるのは確かだ。しかし少数民族問題という不安定要素を抱える上、一党独裁体制で人権観念が薄いからこそ、検査が徹底できるということも紛れもない事実だろう。 (浅井正智)

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