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独シュツットガルト 自動車は郷土の誇り

2018年08月04日

 世界各国が近い将来のガソリン車・ディーゼル車の販売禁止を打ち出し、電気自動車(EV)への移行を強める中、自動車の本家ドイツの動きは鈍い。

 先日、南部シュツットガルトにあるベンツ博物館を訪れ、その理由を垣間見た気がした。

 見学者が最初に向かう展示室には技術者のカール・ベンツとゴットリープ・ダイムラーが1886年にそれぞれ製作した世界初の自動車が、きらびやかなライトを浴びて鎮座していた。

 ダイムラー・ベンツの栄光の説明は続く。「新エンジンが博覧会で好評」「サーキットで最高速度を記録」「世界初の安全装置を開発」-。この地で生まれ、改良を重ねた自動車は世界中に広まった。地元の女性は自動車を「誇り」と言った。

 近くの自動車販売店主、ライナー・エッカレさん(55)によると、周辺地域はエンジンの研究と開発が今も盛ん。「EVへの移行が進んだら、産業は壊滅的な打撃を受ける」と恐れる。

 郷土の歴史や誇りと、大気汚染や温暖化の対策との折り合いをどうつけるのか。泉下の2人が世に送り出した発明品は、130年の歴史を経て、大転換期を迎えている。 (垣見洋樹)

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