2018年08月27日
ニューヨークの小学校は6月下旬で学年度の授業や行事が終わり、9月上旬まで2カ月超の長い夏休みに入った。子どもたちは学期終わりに成績表をもらうが、日本のような終業式はないし、休み前に全校児童が一堂に会する集会などない。
それを聞いて「なるほど」と独りごちたのが、数週間前に見た日本語補習授業校の運動会。
補習授業校は、平日には現地校に通う日本人の子どもらが週末に集まり、日本の学習指導要領に沿って国語や算数を学ぶ学校だ。時に管理教育とも批判される日本の学校そのものを知らない子も少なくなく、米国仕込みの自由奔放さが教職員をてこずらせる場面も少なくない。
さて、その運動会。表彰式の後、日本ではお決まりの「校長先生のお話」が続いた。カンカン照りの中、子どもらの集中力は途切れる。体の向きを変えて隣の子と話したり、下を向いたり…。この春に日本から赴任してきた男性校長は「こちらに背を向けるな」とおかんむり。
が、子どもらに悪気があるわけではない。「1時間でも話すぞ」と言う校長に「どうぞ」と言い返す子は、さすがにいなかったのだから。 (赤川肇)