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北京 消えた痕跡 残るもの

2018年10月21日

 北京五輪の開幕から8日で10年。野球競技で盛り上がった北京市西部の五松(ごかまつ)地区に行ってみると、球場の痕跡はどこにもなく、跡地は現代的なショッピングモールに変わっていた。

 モールには、噴水や美術館、人気のレストランなどが立ち並びおしゃれな雰囲気。面影は球場跡地の西隣の公園に「五輪文化公園」と名前がついているぐらい。警備員や道行く人に球場の思い出を聞いても「そんなのあったの?」と聞き返される始末。モール管理会社の担当者によると、五輪の野球場があったとの記念碑はないという。

 広大な敷地に五輪当時のバスケット会場は健在で、周囲には屋外バスケットコートも並ぶ。野球に比べて中国での人気が高いバスケットを残す選択力とスクラップ・アンド・ビルドのスピード感には毎回驚かされる。北京などで開かれる2022年冬季五輪では、アイスホッケー場に衣替えするらしい。

 10年で北京は地下鉄などインフラ整備が進み、08年に総延長200キロだったのが現在は600キロに延びた。芽生えつつあるボランティア精神とともに、五輪は物質的にも大きな財産を残している。 (安藤淳)

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