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英フォーダム したたか景観保全策

2018年09月25日

 英国の田園地帯には「アビー」と呼ばれる貴族の館がある。先日、ロンドン北東の小さな町フォーダムにある「フォーダム・アビー」に招かれた。

 館の持ち主は堂島麦酒醸造所(大阪市)。当地で英国初の本格的な日本酒醸造を始めようと、大農園を買い取った。

 中心の館はれんが造りの3階建て。最初に建てられたのは1709年だが、改修には「昔と全く同じ材質を使うことが条件なんです」と現地社長の橋本清美さん(56)が説明してくれた。

 景観保全に熱心な英国では、買い取った建物も勝手に外観は変えられない。「館の前のオーナーも管理を持て余し、手放した」という。

 大英帝国時代に築かれた壮大な建物や庭園は、今の英国の経済規模では維持が難しい。そこで1980年代のサッチャー政権以降は外資導入に積極的になり、米国、日本、中国、ロシアなどからお金を引きつけてきた。ただし投資には「景観保全」などの厳しい条件を付けて。

 人口減少が続く日本でも、中国マネーなどが不動産市場に流入している。外資を恐れず、うまく取り込む英国流は参考になるかもしれない。 (阿部伸哉)

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