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サンフランシスコ 思い込みのお寒い話

2018年09月23日

 飛行機の中では毛布を貸してくれる。米西海岸の気候は温暖だ。いずれも思い込みだった。

 8月上旬、真夏日も珍しくないニューヨークからサンフランシスコへの出張の旅。半袖姿で民間機に乗り込んだ。ギャレーと呼ばれる配膳設備の真後ろで非常口の真横の席。そのせいなのか、じっとしていられないほど寒い。耐えかねて客室乗務員の女性に毛布を頼んだが「ありません。お手荷物に上着は入っていませんか」。さらに意外な答えが続く。「よろしければ、私のセーターをお貸ししましょうか」と。さすがに遠慮した。

 未明に空港から外に出ると、また不意打ちのような寒さだった。気温10度ほど。あとで聞いた話だが、かつて米国の著名作家が「今まで過ごした最も寒い冬はサンフランシスコの夏」と言ったとか。

 空港から宿泊施設に向かうタクシーの車内。ちょっとせき込んだ。首にストールを巻いて暖かそうな運転手が、無言で窓を開ける。誰でも他人の風邪なんてもらいたくはない。閉めてとも言えず、サンフランシスコ湾の冷気に打たれながら、西海岸への夏旅は、寒さ対策が必要と痛感させられた。 (赤川肇)

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