2018年09月29日
酷暑の日本を脱出したと思っていたら、甘かった。欧州も熱波に襲われ、赴任地ベルリンでも日中35度を超える日が。
ドイツはビザ申請が入国後なので、住所が決まらないと手続きを進められない。まずは家探しということで、歩いてアパートの物件回りをしていると、駅前や路上でよく物乞いに出くわした。炎天下、こっちはヘロヘロだが、彼らもさすがにグッタリしている。
こうした人々を支援するためにベルリン市当局は8月上旬、水と日焼け止めクリームを配布した。日差しが強いので日焼け止めは欠かせない。炊き出しや寝床の提供など冬場の支援は日本でもあるが、猛暑対策というのは聞いたことがなかった。
避難シェルターの所長は地元紙で「寒さで亡くなるホームレスの数は分かるのに、暑さで亡くなる人は数えられることはない。お金の代わりに水や食べ物をあげて」と呼び掛けた。「お金」だと酒を買ってしまう人がいるためだ。
数日後、支局近くの駅前に座る物乞いの男性の脇には、大小2本のペットボトルが置かれていた。新聞での呼び掛けが届いたのかもしれない。(近藤晶)