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中国・丹東 貸し切りのはずが…

2018年10月01日

 鴨緑江を挟んで北朝鮮と向き合う国境の町、中国遼寧省丹東市。密輸の取り締まりが強化されていると情報を聞き付け、確認のために足を運んだ。

 大小の埠頭(ふとう)を抱える隣の港町を走り回ろうと、ホテルでタクシーを呼んで、運転手と値段交渉に臨んだ。「3時間でいくらだ」と尋ねると、「300元(約5000円)」との返事。割高だと感じつつ、急いでいたので、彼の言い値をのんだ。

 港町を東へ西へと奔走後、帰途に就いた。道路脇で若いカップルが手を振っている。運転手は私に断りもなく車を止め、2人を乗せた。十数分後、運転手は10元紙幣2枚を受け取り、カップルを降ろした。

 丹東に近づくと、運転手は別の中年男性を拾った。また断りもなしに。「どうせ、同じ方向だ」と割り切ることにした。車内では、はばかることなく携帯電話で話す男性の声がずっと響き続けた。

 正午前、タクシーがホテル前に到着。無愛想に料金を受け取った運転手は、私を降ろすと、男性を乗せたまま走り去った。チャーターのはずなのに、相乗り…。キツネにつままれたような時間だった。(城内康伸)

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