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ニューヨーク 開かれた司法に感心

2018年10月09日

 ある裁判を傍聴するためニューヨークの連邦地裁に出掛けた。口頭弁論のやりとりは見聞きできたが、傍聴と呼べるかは微妙。というのも法廷そのものに入れたわけではないからだ。

 法廷の扉を開けると、既に満席。日本なら傍聴を諦めるしかない場面だが、係員は「○○号室で同じように見られます」。指示された別室に入ると、2つの大型テレビ画面とスピーカーで口頭弁論が中継されていた。

 調べてみると、一部の裁判所では裁判の一部をインターネット上で放映する例も。こうした法廷外での「公開」は一定期間後に始めたり音声に限ったりと、裁判への影響やプライバシー保護とのはざまで揺れる様子もうかがえるが、開かれた司法を目指す姿勢に感心させられる。

 オウム真理教による一連の事件で元幹部13人の死刑が執行された7月、米メディアの報道は、事件や日本の死刑制度そのものだけでなく、執行の隠密性にも焦点を当てていた。

 戦後、米国にならって変革されてきた日本の司法制度。国民の知る権利にどう応えるか。時代とともに公開のあり方に改善を重ねている米国。その努力は一考に値する。 (赤川肇)

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