2018年10月07日
「サッカー(男子)も野球も勝っちゃってすみません」。アジア大会決勝の後、韓国人の知人が冗談交じりで言ってきた。カチンときたけれど、そこは宴席、「兵役免除の議論に火が付いて大変ですね」と返した。
兵役が課されている韓国の20代男性は法律上、スポーツや芸術の国際舞台で好成績を収めると免除の対象となる。サッカー英国リーグで活躍するソン・フンミン選手が今回の優勝により兵役を免れたことは、海外メディアも大きく報じた。
一般男性からすれば、免除はやっかみの対象だ。プロ選手で編成しながらアマチュア主体の他国に苦戦した野球は「こんな内容で免除されるなんて」と冷たい視線を浴びた。
45年前に制定された法律は時代遅れだと、改定を求める声も。米音楽チャートで1位になった男性グループ「防弾少年団」を例に、国会議員が「大衆芸術は免除されないのか」と指摘、議論百出の様相だ。
ただ支局スタッフによると、スポーツ大会の度に盛り上がるが、熱が冷めて忘れられるのも早い。いつ下火になってもおかしくない、韓国らしい話題といえる。 (上野実輝彦)