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ポルトガル・エリセイラ 混在する寛容と保守

2018年10月16日

 夏休みはポルトガルの友人と海辺の街で過ごした。彼女は毎日3回は彼氏に電話していた。「何をそんなに話してるの」と問うと、今日の海はどうだった、何を食べたなど、話は尽きないという。「ポルトガルでは普通よ。日本人は電話しないの」と逆に不思議がられた。

 ここでは、人が来るたび、全員と両頬にキスをするため、大人数の食事会など、時間がかかってしょうがない。さすが、情熱的なラテン系だと思っていたら、意外な一面も。

 現在、スイスで暮らす彼女。「ポルトガルでは共働きは一般的だけど、所得が高いスイスでは、小さい子がいる女性が働くのはイメージが悪い。日曜は静かにする日と決まっていて、洗濯機も掃除機も使っちゃいけない。そのくせ、街行く人の半数はタトゥーが入っている」

 ポルトガルはひと昔前まで、お堅い仕事でのピアスやタトゥーはご法度だったという。ちなみに、「紳士の国」とされる英国・ロンドンでは公務員のタトゥーも日常風景だ。

 寛容と保守が入り交じる欧州文化は複雑怪奇。ひとくくりに語ろうとする愚かさは、エリセイラの海に捨てた。 (沢田千秋)

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