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ウィーン パンダ画伯は大活躍

2018年11月06日

 ウィーンの動物園に「お絵描きパンダ」がいると聞いて、興味津々で行ってみた。ハプスブルク皇帝の夏の離宮だったシェーンブルン宮殿。その庭園の一角にあるシェーンブルン動物園は、現存する動物園としては世界最古を誇る。

 やはり人気なのか、パンダ舎は入り口のすぐ近くにあった。絵を描くというのは2年前に双子を産んだ雌のヤンヤン。

 案内係に聞いてみると「お絵描きは公開していません。バックヤードでやっています」。アシカのショーみたいなものを想像していたが違った。ただ動物園のサイトで動画を見ることができた。

 飼育員がヤンヤンに黒い絵の具をつけた特製竹ブラシを渡すと、パンダ舎の格子の外に出した両手で挟み、白い画用紙にサラサラ。抽象画というか、水墨画というか、初めて筆を持った幼児の絵のようでもり、正直評価は難しい感じではある。

 約100枚の作品は、パンダの写真集出版のためにネットで販売中。資金集めの方法としては参考になりそうだが、1枚なんと490ユーロ(約6万4000円)。強気のパンダ画伯に目を白黒させるしかなかった。 (近藤晶)