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北京 自由歌えないロック

2018年11月13日

 ヒット曲「朋友(ぽんよう)」を作曲し歌った臧天朔(そうてんさく)さんが9月末、54歳の若さで亡くなった。1990年代に人気を博したロック歌手で、新聞でも大きく死去が伝えられた。ただ、晩年は暴行事件で服役し肝臓がんを患っていたといい、若い人はほとんど知らないらしい。

 少し前、髪を染めたり奇抜なファッションの若い男女でにぎわう「中国のパンク(ロック)20年回顧展」に行った。北京大などに近い学生街にあった伝説のクラブのステージを再現、鎖やびょうが付いた革ジャンを着て歌う昔のビデオ映像も流された。「昔は『パーティー・ダウン(共産党は終わった)』と歌詞に入れてもおとがめはなかった」と当時を知る人は展示を見ながら懐かしんだ。

 しかし、習近平(しゅうきんぺい)指導部がにらみを利かせる今、自由な表現空間は確実に狭まった。先日、あるパンクバンドに活動環境について取材を申し込んだが、マネジャーは「本人はしゃべりたくても、私たちは絶対にさせません」と冷たく断られた。

 反体制や革新的なメッセージも交えてこそのパンクであり、ロックだが、この国では苦労は絶えないようだ。 (安藤淳)

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