2018年11月19日
韓国ではさまざまな「日本もの」が流行しているが、ここ数年、人気を博しているのが柴犬だ。夫婦や独居女性のペットとなるケースが多いようで、町中で見かけるし、宴席の話題となることもしばしばある。
都市部では一軒家よりマンション住まいが増え、小型ペットが好まれること、大手芸能事務所の社長が飼う柴犬がテレビ放映されたことなどが、柴犬人気の要因といえそうだ。
それに対抗したわけではなかろうが、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は9月の南北首脳会談を機に、北朝鮮が天然記念物に指定する「豊山犬」2匹を文在寅(ムンジェイン)大統領に贈った。愛犬家の文氏を喜ばせつつ、南北融和を演出する狙いとみられ、2匹はいともたやすく板門店を越えた。
そんな話題をさかなに韓国人記者と飲んでいると、彼の目が輝いた。「日韓首脳会談で、安倍晋三首相も柴犬を贈ってはどうだろう」。文氏は既に韓国の雑種犬を飼っており、日韓朝の犬が韓国で仲良く暮らせば友好の象徴になる-とのアイデア。
なるほど、ピンポン外交ならぬ愛犬外交。でも、3国の犬がけんかしなければいいが、と心配することにならないだろうか。 (上野実輝彦)