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トルコ・カプクレ 怪しい車の見分け方

2018年11月17日

 通関ゲートでトラック運転手が差し出す書類をさっと眺め、パソコン画面と照合する。自動読み取りされたナンバープレートから車両の過去の通関記録が一覧で出てくる。ここで「怪しい」トラックを瞬時に見極め、厳しい検査に回す。

 トルコ北西部、ブルガリア国境のカプクレ検問所を訪れた。トラック通行量は双方向で一日約1800台。欧州連合(EU)への陸路最大の入り口で、中東からの麻薬や難民の流入ルートとなりがちだが、全車両を止めたら、たちまち大渋滞になる。

 何を基準に止めるのか。トルコ側の検査官は一つポイントを教えてくれた。「EUへの出入りに、あちこち検問所を変えているトラック」は怪しまれやすいと。ブルガリア側の通関担当者は「数日前、イランからトルコを通過して入ってきたトラックから、712キロのヘロインを押収した」と成果を強調。建材パネルに、のりのようにして貼り付けてあったという。

 外国とは海で隔てられている日本とは次元の違う国境管理をしながら、自由貿易の名の下に「モノの自由な流れ」も要求される。検査官の技が日々、試されている。 (阿部伸哉)