2018年11月23日
日本でも広がりつつある米国発祥の会員制倉庫型小売店。食料品から生活雑貨まで安くそろうため、ニューヨークの最寄り店によく行くが、そのたびに日本の常識が懐かしくなる。マナーの悪い客が多いのだ。
味見のためか食品の封が切られていたり、衣類売り場に牛乳が置いてあったり。特にひどいのがレジ前。夫婦とおぼしき中年カップルが話し込んだ後、カートから取り出したズボンをクシャクシャに丸めて近くの棚へポイッ。私の頭上を舞ったときは、何が起きたのかとびっくりしてしまった。アイスクリームが常温で放置されていたこともある。
高級店ではお目にかからない光景だろう。大量消費・廃棄の恩恵にあずかりながら、陰の部分を見せつけられているようで複雑な気分だ。
地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱すると表明したトランプ米政権。環境保全に背を向ける姿勢に国際社会の反発は強いが、市民の意識はどうか。日米それぞれの統計では、1人当たりのゴミ排出量が日本は10年前より16%減ったのに対し、米国は横ばい。米国型生活様式の負の面まで海を渡らないことを願う。 (赤川肇)