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ニューヨーク 別姓社会で呼び方は

2018年12月17日

 夫婦別姓を選べないのは戸籍法の欠陥だと、国に損害賠償を求めて提訴したソフトウエア会社サイボウズの青野慶久社長(47)が10月、ニューヨーク在住の報道関係者らと懇談し選択的別姓の合理性を説いた。

 別姓を選べない不合理や不便を理解しつつ、ふと疑問が浮かんだ。別姓が普及すれば、欧米のように他人を姓名の名で呼ぶ習慣も広がるのだろうか、と。

 米国では友人はもとより、仕事上でもファーストネーム中心。中年男からすると違和感がぬぐえないのだが、日本人同士でも女性は名で呼び合っていることが少なくない。

 もし夫婦別姓で一つの家族に複数の名字が混在するようになれば、互いを姓より名で呼び合う方が理にかなっている気がする一方、その文化が定着するには相当な時間と覚悟が必要かもしれないとも思う。

 ちなみに米紙ニューヨーク・タイムズによると、婚姻時に姓を変えない女性は1970年代の17%から80年代に14%に下がった後、上昇して2010年代は22%。このほか自分と夫の姓をハイフンでつなぐ“両姓併記”にする人が増え、名字自体も多様化している。 (赤川肇)