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バンコク 93歳指導者の存在感

2019年01月08日

 バンコクで10月下旬、マレーシアのマハティール首相の講演を聞いた。タイとの関係などを20分間、メモを見ず、英語でよどみなく話す姿は、93歳とは思えない。

 質疑応答で健康の秘訣(ひけつ)を尋ねられ「頭も使わないと衰える。だから戦うのが好きだ」。5月の総選挙ではナジブ首相派と対決し勝利、15年ぶりに首相に返り咲いた情景と重ねた聴衆から、笑いが湧き起こった。

 政権奪取後のマハティール氏の存在感は大きい。11月の東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議では、ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャへの迫害でアウン・サン・スー・チー国家顧問を厳しく批判した。だが、あまねく少数者の擁護者かと言うと、やや違う。

 講演会で西洋の価値観との違いをあげ「マレーシアはLGBT(性的少数者)を受け入れない」と発言。イスラム教徒が多く、同性愛を禁じる同国の文化的背景をにじませた。

 日本人にとって、戦後の経済成長や平和憲法を高く評価するマハティール氏は親しみを覚える存在だ。ただ、その言動や政策は多面的に追う必要があると感じている。 (北川成史)

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