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北京 国の監視体験する?

2019年01月18日

 北京の国家博物館で改革開放40周年を祝う展覧会が開かれている。中国の科学技術の進歩を誇るコーナーで、弁当箱ほどの装置につながった大画面の周りに人だかり。

 弁当箱の上に来場者が身分証をのせると、これまでに乗った航空便の国内線と中国発着の国際線の経路が、画面上の地図に表示される。飛行距離や飛行時間も示され、来場者の飛行距離がランキングされる。

 驚きと恐ろしさがこみあげる。政府が管理するデータベースから記録を即座に引き出せる仕組みらしく、政府が人々の移動を一元的に監視していることを隠そうともしない。

 展示の説明には「あなたも比べてみよう」とある。列をなして身分証をかざし、喜々としている来場者の姿に、恐ろしさが倍増する。来場者は職場で動員された公務員や国営企業従業員がほとんどだったが、プライバシーを気にかける様子はない。

 歴代指導者の業績をみせる部屋では、習近平国家主席の写真に四方八方から囲まれる。科学技術の進歩と個人崇拝はどうにも組み合わせが悪い。会場を後にしても、習氏の目線が追ってくるような感覚がなかなか消えなかった。 (中沢穣)

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