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独リューベック サービスも解釈次第

2019年01月15日

 「リューベックまでの旅はいかがでしたか」。ホテルのフロント係の女性に満面の笑みで迎えられ、少々面食らった。

 というのも、ドイツに来て以来、接客サービスに期待するのはあきらめていたから。ホテルに限らず、飲食店やスーパー、駅の窓口などで気持ちの良い接客をされた記憶は少ない。たいがい事務的で無愛想なのだ。

 バルト海に近い北の街リューベック。レストランで白身魚のフライを堪能した後、名物の赤ワイン「ロートシュポン」を注文した。かつて近郊で採れた塩を樽(たる)に詰めて輸出し、帰りはフランス産ワインを入れて持ち帰ったのが始まり。ブドウが栽培できない気候だが、熟成が進みおいしくなったのだとか。

 ところが店主の男性は「あれは観光客向け。うまくないから置いてないよ」。さらに食べきれなかった付け合わせを持ち帰りたいと言うと「冷めたら、うまくないよ」。おいしいものしか客に提供しない一貫した姿勢。ちょっとこわもての彼なりのもてなし方だと解釈した。

 ドイツは「サービス砂漠」と揶揄(やゆ)されることもあるが、やはり人次第だと信じたい。 (近藤晶)

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