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ロンドン 心模様を映す家並み

2009年07月29日

 白壁のテラスハウス(長屋)が続く近所を歩いていて、白かったはずの家の外壁が桜色や黄色に変わっていることに気づいた。

 「変だな」。最近塗り直した様子もない。色のついた外壁探しを続けると砂色、紫紺、薄緑、朱色など、濃淡合わせて十種類は超える。昼間も暗かった冬の間、白か灰色のモノクロ写真のように見えていた街に、日差しと色合いが急に戻ってきたためだった。

 地区の住人に美術や芝居関係者が多い影響か、思い思いの色で壁を塗り分けているようだ。色彩心理学では、かつてロンドンでテムズ川にかかる黒色の橋で自殺が多発したが、橋を明るい色に塗り替えると件数が大きく減ったという話を聞いたこともある。

 自宅アパートの隣家も、あらためて見ると水色の外壁だ。英国人のアパート管理人さんに塗り分けのルールを聞いてみた。「わからないなあ。酔っぱらって帰った時に自宅だと分かればいいんじゃないか」 (松井学)

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