2009年11月06日
中国雲南省南東部の山あい、チワン族やミャオ族などの少数民族集落が点在する文山県。車がすれ違うのがやっとのくねくねした山道が“渋滞”していた。車種は全部同じ。ナンバーで、自動車教習車だと分かった。
タクシーで追い抜く際に、教習中のドライバーの顔ぶれを見ると、老若男女さまざま。路肩で休憩中の若者は「田んぼを耕しても、稼ぎは知れている。トラック運転手になろうと思って」。
それにしても、日本ではまずありえない教習コース。急カーブで、特産のタバコの葉を山積みにした牛車に遭遇し、すんでのところでかわしたり、フロントガラスに顔が付くぐらい、前のめりになってハンドルを握っていたりと、こちらがハラハラさせられた。
乗り合わせたタクシー運転手も10年ほど前、同じ道で教習を受け、運転技術を磨いたそうだ。「この道を運転できれば、どこだって怖くないよ」。思わず納得しそうになった。 (朝田憲祐)