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瀋陽 機上では空振りの味

2009年11月07日

 久々に出張で出掛けた東北地方(旧満州)の瀋陽。当地には焼きギョーザの名店がある。パリパリのもちもち。旧満州は日本のギョーザのルーツだけあっておいしく、何度食べても飽きない。その美味を、時間をつくれずに食べそこねた。

 中華料理は種類が豊富でご当地料理も多いが、出掛けたときに「何度でも」と思えるのは、ギョーザのほかに四川省のマーボー豆腐と回鍋肉だ。自分の中で「おふくろの味」と化しているのか、日本人の味覚によほど合った料理なのか。

 後ろ髪を引かれる思いで、飛行機に乗る。建国60年の国慶節休暇で、子供も多い。小学生の兄妹がいきなり中国国歌を大声で歌いだした。愛国教育の浸透ぶりを見る思いだ。

 機内食が運ばれてきた。ランチは「鶏肉飯」。一口食べてスプーンを置く。中国の航空会社の機内食は、どうしてこうもまずいのか。 (小坂井文彦)