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台北花博

台北花博 台湾 幻想的なLEDの花園

真っ赤なサルビアの花に囲まれ、クジラの造形作品(右奥)が際立つ「木陰の花壇」

真っ赤なサルビアの花に囲まれ、クジラの造形作品(右奥)が際立つ「木陰の花壇」

 バスの窓から、どこかで見たような街並みを眺める。日本との違いを挙げるならば、看板に繁体字が並んでいることくらいだ。飛行機で日本からわずか約3時間。秋真っ盛りの11月、園芸のオリンピックといわれる「台北国際花卉(かき)博覧会」(台北花博)が台北市で開幕した。

 メーン会場の新生公園エリアのゲートは、朝から大行列だった。「他のエリアからの入場が得策」という現地ガイドの羅永成さん(45)の案内で、人けの少ない美術公園ゲートで午前9時の開門を待った。聞けば、台北花博は花の展示のみに終わらず、園芸コンテストやエコと省エネ、芸術文化、グルメなどが一体となった多彩なイベントという。

 訪れた時、会場内は赤色や珍しい青色のサルビア、白い小さな花を付けるアンゲロニアなどの植え込みと花ポットで彩られていた。新生公園エリアの木陰の花壇は、割合規模の大きな花畑。鮮やかなサルビアのじゅうたんに囲まれ、クジラがダイナミックにジャンプする形に剪定(せんてい)された巨大なオブジェ風の庭木がひときわ目を引く。

音に合わせて形を変えながら、幻想的な動きを見せる花形のLED照明=いずれも台北市で

音に合わせて形を変えながら、幻想的な動きを見せる花形のLED照明=いずれも台北市で

 会場内にあるパビリオン14棟のうち、新生公園エリアのドリーム館を訪ねた。館内ガイドの蘇雍倫さん(25)は「台湾の最先端テクノロジーを映像と音楽で体感できる超人気施設です」と胸を張った。入り口でICチップが入ったブレスレットを受け取り、恋愛や仕事など自分が咲かせたい花の種をコンピューターに登録。途中、センサーがICを感知し、自分が選んだ花を植物に咲かせることができる映像や昆虫の気分を楽しめる映像を体験した。

 10メートル四方のステージ上には、発光ダイオード(LED)で作られた“電飾花”が整然と敷き詰められ、光の花園といった風情。花の中に仕込んだセンサー内蔵の筒状モーターが音に反応するたび上下に移動し、花の形や色を一斉に変える趣向。幻想的な空間が来場者の目をくぎ付けにし、ハイテク分野で躍進する台湾パワーを見せつけていた。

 
世界庭園エリアで来場者の目を引くオマーンのバラ園

世界庭園エリアで来場者の目を引くオマーンのバラ園

 さらに、ユニークなパビリオンは美の競艶館だ。サッカー場のピッチにパビリオンを建て、スタンドには7色の花の植え込みを並べて虹を表現してあった。館内では、各種コンテストが催され、世界の花愛好家のユリやランなどからなる造形作品を展示。高さ3メートルほどもある紫や白のコチョウランに圧倒された。美術ゲート前の世界庭園エリアでは、ハワイのトロピカルな花々をはじめ、オマーンの中東風の建物とバラ園、米国のサボテン、オランダのチューリップなど、20の国と地域の特色を生かした庭園が見学でき、日本からは浜松市の「遠州の庭」と題した庭が出展されている。

 円山公園エリアには台湾生まれでアジアの歌姫として知られるテレサ・テンをテーマにした日本家屋の有名人館も。タッチパネル方式でテレサの一生を紹介し、隣室には着用したチャイナドレスなども展示。近くの真相館は5階建てビルに相当する高さの大迫力スクリーンで、3D映像を見ながら台湾で頻発する土砂災害を学んだ。

 真相館を出ると、辺りは夕闇に包まれていた。半日では会場の半分も見られず、悔しさだけが残る。「台湾は近い。また来ればいいさ」と独り言。缶ビール片手に、ライトアップで闇に浮かぶ園内の花々に酔いしれた。

 文・写真 美細津仁志

 (2010年12月10日 夕刊)

メモ

地図

◆交通
国内主要空港から定期便が台北市郊外の桃園国際空港に就航。
羽田空港と台北中心部に近い松山空港間には1日8便の直行便が運航。
花博の円山公園会場の最寄り駅は、鉄道の交通システム網「MRT」の淡水線円山駅、徒歩2分。

◆台北花博
台北市政府主催。開催期間は来年4月25日まで、開園時間は午前9時~午後10時。
入園料大人300台湾元、小学生や65歳以上など150台湾元、3日券は600台湾元。
台北花博の日本語ホームページは「台北花博」で検索可。

◆問い合わせ
台湾観光全般は台湾観光協会ホームページが便利。
同協会の東京、大阪両事務所で観光パンフレットなどを無料配布。
窓口は同協会東京事務所=電03(3501)3591

おすすめ

台湾のおかゆ

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★南門市場
MRT新店線中正紀念堂駅近くのビル内にあり、台湾の土産が一堂にそろう。
一部では日本語も通じ、台湾の有名豚肉「金華豚」のハムが買えるが、日本への持ち込みはできない。

★北投(ほくとう)温泉
露天風呂などもある台北市近郊の温泉保養地。
台北からMRTと支線を乗り継ぎ新北投駅で下車。
石川県・和倉温泉の老舗旅館「加賀屋」の和風温泉旅館「日勝生加賀屋」が今月18日オープンする。

★無名子清粥小菜
復興南路におかゆ店がひしめく通称「おかゆ横町」の人気店。
台湾のおかゆに必ずサツマイモが入るのは、台湾の形がサツマイモに似ているから?
副菜が食べ放題になるコースもある。営業時間は午前11時~翌午前6時。休日は24時間営業。

※掲載された文章および写真、住所などは取材時のものです。あらかじめご了承ください。

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