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プーケット島

プーケット島 タイ 世界遺産めざす豪邸群

欧米からの観光客が行き交うパトンビーチにほど近い商店街

欧米からの観光客が行き交うパトンビーチにほど近い商店街

 「TSUNAMI EVACUATION ROUTE(津波避難路)」。レストラン、マッサージ、土産物などの看板が連なるビーチ沿いの通りに異質な表記を見つけた。

 年間観光客数が300万人を超す東南アジア有数のリゾート地、タイ・プーケット島は2004年のスマトラ沖地震で多数の犠牲者を出した。バカンスを楽しむ欧米人であふれる、このパトンビーチ沿いの通りも甚大な被害を受けた。避難路看板は、震災後に立てられたものだ。

 その地震による津波で更地となった後に建てられた真新しいホテルに宿を取った。ホテルは島で最もにぎわうパトンビーチにあり、マリンスポーツにはもってこいの立地。しかし、今回の旅の目的は、歴史的建造物群で世界文化遺産登録を目指しているプーケットタウンを訪れることだった。

 ホテルの若いフロントマンに交通手段を尋ねると、「日本語ガイド付きの車チャータープランはどう」と、近くの旅行代理店を紹介してくれた。

 パトンビーチは島南西部にあり、南東部のプーケットタウンまでは、山間部を横断するのが1番の近道なのだが、「せっかくだから海を眺めながら行きましょう」と、ガイドのタナポン・ユアンヨンさん(43)に勧められるまま、海岸線をぐるっと回る南部ルートを進むことにした。

 マリンリゾートで知られるプーケットだが、ビーチのほとんどは西部に集中している。パトンから南下するとカロン、カタそしてナイハーンなど名高いビーチが次々と現れては消えていく。20分ほど走ったころ、最南端のプロムテーム岬に着いた。アンダマン海に沈む赤い夕日が美しい人気スポットとか。残念ながら、その絶景を拝むには数時間も待たねばならなくて、写真を数枚撮るにとどめた。岬を過ぎ、右手にチャロン湾を見ながら北上すること10分。快適な海岸ドライブを終えた。

マリンスポーツを楽しむ人たちでにぎわうパトンビーチ

マリンスポーツを楽しむ人たちでにぎわうパトンビーチ

 ほどなく到着したプーケットタウンは、県庁、銀行などが並ぶ政治経済の中心地。渋滞した車の大群が容赦なくクラクションを浴びせてくる。16世紀ごろから島の特産である天然ゴムやスズの東西交易基地として発展し始め、中でもオールドタウン地区は、華僑が建てた豪華な屋敷が多数残っている。これらの生き残りこそ世界遺産の原石というわけだ。同行ガイドによると、オールドタウン一帯は遺産登録のために保存地区に指定されていて、電線の地中化工事などが進められているという。

 
オールドタウン地区に並ぶ漆喰の白壁とアーチ状の柱が美しいシノポルトガル様式の建造物=いずれもタイ・プーケット島で

オールドタウン地区に並ぶ漆喰の白壁とアーチ状の柱が美しいシノポルトガル様式の建造物=いずれもタイ・プーケット島で

 さて、どこから回ろう-。品定めをしていると、屋根に時計台を擁する建物にひかれ、車を降りた。漆喰(しっくい)の白壁、円柱に飾られた窓、草木文様の装飾…。どこかクラシカルな雰囲気の造りは「シノポルトガル様式」と呼ぶのだそうだ。通りを見渡すと同様な建物が何棟も連なっている。1階は雑貨屋、カフェ、書店などに再利用され、この様式の特徴でもあるバルコニー下を歩けるようになっている。2階以上は住居のようだ。

 ぶらり歩いているうち、エスニックな香りを嗅ぎつけ、コロニアル風な麺類食堂に入った。レトロなブリキ製の椅子に座ると、店員がメニューを持ってきた。4種類の麺とスープの有無を指定するというタイ料理特有の“儀式”を済ませると、出てきたのはバミーナームというラーメン。具は魚のつみれと蒸し鶏。これだけでも美味だが、スープをすすると芳醇(ほうじゅん)な香りが口いっぱいに広がり思わずうなった。「料理はとっくに世界遺産級だな」

 文・写真 内藤哲宏

(2013年2月1日 夕刊)

メモ

地図

◆交通
プーケット直行便はなくなり、成田空港、中部国際空港などからスワンナプーム空港(バンコク郊外)経由で。
タイ本土と橋でつながっているため、バンコクから直行バスも出ている。

◆問い合わせ
関東甲信越、静岡、石川、富山はタイ国政府観光庁東京事務所=電03(3218)0355。
東海以西、福井は同大阪事務所=電06(6543)6654

おすすめ

ワット・チャロン

ワット・チャロン

★プーケット・ファンタシー
夜間のみ営業のテーマパーク。
30頭の象が繰り広げるショーは圧巻。食事付きのコースで大人1人1900バーツ(日本円で約5800円)。

★ワット・チャロン
リゾート地だが、タイらしく島内には仏教寺院もいくつかある。その中でもチャロンは、金箔(きんぱく)が張り詰められた高僧の像が有名。

★シーフード料理
海産物が豊富な島だけに新鮮そのもの。氷が敷き詰められた店先のテーブルにはロブスターなど食材が並び、調理法とともに選ぶことができる。ホテルによってはタイアップした割安の店を紹介してくれる。

★タウィーウォン通り
島内で最もにぎやかなパトンビーチ沿いにある商店街。歓楽街のバングラー通りと比べ落ち着いた雰囲気で、親子でも安心して楽しめる。

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