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姫路城

姫路城 兵庫県 秀麗な大天守すっぽり

素屋根に覆われた姫路城の大天守

素屋根に覆われた姫路城の大天守

 新幹線を姫路駅で降りると、世界文化遺産の姫路城が目に飛び込んできた。秀麗な天守閣が青空に・・・のはずが、今は修理中で、大天守は巨大なカバーに覆われている。大天守内部の見学はできないが、カバーの中に見学者用スペースがあり、大天守を間近に見ることができる。

 城は駅から歩いて15分ほど。「二の丸」の守りを固める「菱(ひし)の門」にはじまり、「いの門」「備前門」などを次々と抜けて、城のシンボル天守閣の大天守に着いた。カバーは「素屋根」と呼ばれ、8階建て。その7、8階部分に見学者用のスペース「天空の白鷺(しらさぎ)」が設定されている。

 今回の大天守保存修理は、いわゆる「昭和の大修理」から約50年ぶり。「平成の大修理」と呼ばれる。前回は解体修理だったが、今回は解体せずに屋根瓦の葺(ふ)き替え、漆喰(しっくい)の塗り替えや床の耐震補強などを行う。それでも2009年に着工し、おおむね5年で完了という計画だ。

 
大天守の屋根を間近に見ることができる「天空の白鷺」

大天守の屋根を間近に見ることができる「天空の白鷺」

 姫路城の歴史は14世紀にさかのぼるが、秀吉が姫路出身の黒田官兵衛の勧めで1580年に姫路城に入り、本格的な天守閣を持つ城に造り替えた。

 関ケ原の戦いの後、城主となった池田輝政が1601年、さらなる大改築に着手。輝政が家康の命を受け、豊臣恩顧の西国大名をけん制するため、大規模な城郭に造り替えたとの説が有力だ。本多忠政が17年、城主になり、翌年に現在とほぼ同じ姿の城が完成した。

 当時は日本の築城技術が最高水準にあったといわれる。中でも姫路城は、その美的完成度の高さから、間違いなく日本を代表する城郭だろう。城内の建築物で国宝は大天守など8棟、国指定の重要文化財は74棟。特別史跡の指定区域は107.8ヘクタールにも及ぶ。

 高さ約15メートルの石垣の上に高さ31.5メートルの大天守が立っている。それを覆う素屋根は高さ約52メートル。エレベーターで8階に上ると、ガラス張りの大窓に大天守の屋根がひろがった。瓦の1枚1枚が手に取るように見える。屋根瓦の葺き替えは終わっており、“化粧直し”の済んだ屋根は美しく感じた。

 姫路城シルバー観光ガイドの萩原たか子さん(70)は「普段は、鳥にでもならないと見ることができませんね」と笑顔で説明した。

 城の西側にある日本庭園「好古園(こうこえん)」も興味深い。約3.5ヘクタールある園内は、濃淡さまざまの緑が輝き美しい。

 城の内堀では、復元された江戸時代の和舟に体験乗船するサービスがあり、乗ってみた。やわらかな日差しときしむ艪(ろ)の音が心地よい。この体験乗船のサービスは今年秋にも行われるという。

姫路城の石垣を見ながら、内堀を進む和舟=いずれも兵庫県姫路市で

姫路城の石垣を見ながら、内堀を進む和舟=いずれも兵庫県姫路市で

 さて、来年のNHK大河ドラマは、「軍師官兵衛」だという。「秀吉に天下を取らせた男」といわれる官兵衛は、秀吉の前、一時的に城主を務め、地元には官兵衛を慕う人々が多い。

 黒田家ゆかりの広峯(ひろみね)神社に足を運んだ。黒田家は家伝の目薬に広峯神社のお札を付けて販売し、財を成したとされる。

 宮司の幸田精久(きよひさ)さん(54)によると、神社には「御師(おし)」という遠方までお札や暦を配ったり祈祷(きとう)をしたりする人々がおり、各地の事情に通じていた。その情報網を官兵衛は活用したのではないかという。

 また、熱烈な官兵衛ファンだという神沢輝和さん(71)は、ゆかりの品々を集め、姫路市内に「播州黒田武士の館」を自力で設立。「官兵衛の哲学を姫路から発信したい」と意気込んでいた。

 文・写真 安西和三

(2013年6月14日 夕刊)

メモ

地図

◆交通
姫路へは新幹線のぞみで、東京から約3時間、名古屋から約1時間半。
姫路市内各所へはJR山陽線や山陽電車のほか路線バスの「神姫バス」がある。

◆問い合わせ
姫路市まちづくり振興機構=電079(221)2903。
神姫バス姫路駅前案内所=電079(285)2990

おすすめ

好古園
好古園

★天空の白鷺
来年1月15日まで。午前9時15分~午後5時半(9月からは午後4時半まで)。
料金は大人200円、子ども(5歳~中学生)100円。
ほかに城有料区域への入場料も必要。見学は予約がお勧め。
詳細はホームページで、ここからの予約も可。見学時間約30分。
姫路城大天守修理見学施設=電079(287)2013

★好古園
池泉回遊式の日本庭園。
園内には四季折々の風景が楽しめる9つの庭や、茶室の「双樹庵」がある。
午前9時~午後6時(9月1日~4月26日は午後5時まで)。
入園は閉園30分前まで。入園料大人300円、小中学生150円。
姫路城との共通券(大人560円など)もある。
双樹庵で抹茶のサービス(1席500円)もある。好古園=電079(289)4120

★広峯神社
姫路市中部の広峰山山頂にある。暦をつかさどる神様をまつる。姫路駅から神姫バスで約20分。
その後、徒歩約30分。電079(288)4777

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