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パンダと無人島

パンダと無人島 和歌山県 双子の人気者 間近に

屋内運動場で母親の良浜(右)とじゃれ合う桃浜(中)と桜浜(左)=和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで

屋内運動場で母親の良浜(右)とじゃれ合う桃浜(中)と桜浜(左)=和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで

 「かわいすぎる~」。飼育員にだっこされた双子の赤ちゃんパンダが屋外運動場に姿を見せると、一斉に歓声が上がった。和歌山県白浜町のレジャー施設アドベンチャーワールドで、昨年12月2日に生まれた双子のジャイアントパンダ桜浜(オウヒン)と桃浜(トウヒン)は、今やアイドルなみの人気者だ。名古屋市から家族連れで来たという主婦(38)は「見ていて飽きないです。ここはガラス越しではなく直接、間近に見られるのがいいですね」と、カメラを手に笑顔を見せた。

 双子はいずれもメス。「耳がちょっと大きい方が姉の桜浜、目の模様も少しつり上がっています。鼻が長い方が妹の桃浜」と、アドベンチャーワールドの高浜光弘さん(49)。ちょっと区別しにくいが、高浜さんは「妹の桃浜はいつも母親にくっついているので分かる」という。

 アドベンチャーワールドでは、双子の父親の永明(エイメイ)(22歳)、母親の良浜(ラウヒン)(14歳)を含め、7頭のジャイアントパンダを飼育している。

 永明は、人間で言うと60代後半。これまでここで誕生したパンダ14頭のうち13頭(8頭はその後中国へ)のお父さんだ。「永明はメスにやさしいので、年に3日ほどしかない交尾のタイミングを逃さずメスが受け入れるのです」と高浜さん。双子の母親の良浜も出産は4度目、これまで5頭の子どもたちを立派に育て上げている。

 東京の上野動物園では繁殖に苦労しているのに、なぜここではそんなにうまくいくのか。高浜さんは「やはりここ白浜の水、空気でしょうね。パンダの故郷、中国の成都とも気候がよく似ている」という。繁殖は中国の専門スタッフと共同で行っており、ノウハウの蓄積もある。屋外運動場や屋内運動場ものびのび開放的で、こうした環境がパンダにとってもよいようだ。

木立に囲まれた第3砲台跡=和歌山市の友ケ島で

木立に囲まれた第3砲台跡=和歌山市の友ケ島で

 双子の赤ちゃんパンダに癒やされた翌日は、和歌山市沖に浮かぶ友ケ島に向かった。宮崎駿監督の人気アニメ映画「天空の城ラピュタ」に島の情景がそっくりと話題の無人島だ。和歌山市の加太港から定期船に乗り20分で行ける。

 和歌山市観光協会の松浦光次郎さん(50)の案内で島に渡った。友ケ島は大阪湾の入り口にあり、外国から大阪、神戸を守る重要な島として、明治時代から第2次世界大戦まで旧陸軍が厳重に管理し、一般の立ち入りが禁止されてきた。レンガ造りの砲台跡や弾薬庫跡などが今も残る。

 定期船の着く桟橋から山道を第3砲台跡目指し20分ほど上った。途中、塹壕(ざんごう)があちこちにある。「上陸した敵を迎え撃つため戦争中に掘られた」と松浦さん。大戦中は400人ほどの兵士がいたといい、兵舎跡も一部残っている。「あっリス」。声に促されて見上げると、しっぽの大きなリスが木の枝を走り抜けた。山道ではウラシマソウなどの野草やいろいろな樹木も観察できる。

タカノス山展望台から眺めた紀淡海峡=和歌山市の友ケ島で

タカノス山展望台から眺めた紀淡海峡=和歌山市の友ケ島で

 赤レンガの砲台跡は、うっそうとした木立の中にあった。弾薬庫だった内部は真っ暗で空気もひんやりとしている。大阪府泉佐野市から来たというママ友3人組は「この古びたレンガの感じがラピュタに出てくる場所にそっくり。異空間に迷い込んだみたい。ネットで話題だったので来てみました」。

 砲台跡からさらに上るとタカノス山展望台(119メートル)に出た。視界が一気に開け、眼下に真っ青な紀淡海峡が広がっていた。

 文・写真 橋本節夫

(2015年7月24日 夕刊)

メモ

地図

◆交通
アドベンチャーワールドへは、羽田から南紀白浜空港への便がある。空港から循環バスで。
名古屋からは新幹線の新大阪経由、紀勢線特急でJR白浜駅へ。
友ケ島へは、JR和歌山市駅で南海加太線に乗り換え、加太駅で下車。同駅から徒歩20分の加太港から定期船が出ている。

◆問い合わせ
アドベンチャーワールド=ナビダイヤル(0570)064481、友ケ島汽船=電073(459)1333

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