【本文】

  1. トップ
  2. 旅だより
  3. マウイ島
マウイ島

マウイ島 米国ハワイ州 雲上で見る満天の星

カアナパリのビーチ。シーズンを迎えると、ここからでも週に数回クジラの姿を見られるという

カアナパリのビーチ。シーズンを迎えると、ここからでも週に数回クジラの姿を見られるという

 ハワイ・マウイ島東部の山ハレアカラ(3,055メートル)。登ってみると、夕焼けに染まりながら白くうねる雲海が一面に広がっていた。ハレアカラはハワイ語で「太陽の家」を意味する。名前の由来は神話にあるというが、雲でできたこの気持ちよさそうな「寝床」もまた、太陽がここをすみかとした理由なのかもしれない。

 参加したのは年齢制限なく車で山頂まで行ける夕日と星空観察のツアー。午後2時半に宿泊先の島西部の町カアナパリを出発した。車内では、主催するマウイオールスターズ社の山内良和さん(57)が軽妙な語り口で町を紹介してくれた。

 「あれは車の最低速度を示す道路標識で、クジジュウ対策ですね」。クジジュウとはクジラ見たさでできる車の渋滞のこと。毎年12月~翌年4月、多くのザトウクジラが出産や育児などのためアラスカから暖かなこの海域にやって来るという。海岸沿いの道路では、渋滞防止の速度規制が敷かれていた。

 高山病予防を兼ねてドーナツ店で休憩したり、土産物店に寄ったりしながら少しずつ高度を上げていく。標高1000メートルを超えると車窓の景色はそれまでの晴天から雨に変わり、雲の中にいることを実感する。しばらくすると木々は低くなり、森林限界に達するころには雨もなくなって、いよいよ「雲上人」だ。

もくもくと湧き出るように広がるハレアカラの雲海

もくもくと湧き出るように広がるハレアカラの雲海

 午後5時40分、標高約2700メートル。車を降りると、日常では感じることのないような静寂が辺りを包んでいた。ごつごつとした山肌の中から湧き出るような雲が広がる。もくもくとゆっくり波打つ雲に、夕焼けがオレンジ色を添えていく。それは太陽の帰りを温かく迎え入れているよう。「太陽の家」を感じさせる光景だった。

 山頂から少し下った駐車場へと向かう。その頃には日は沈み、辺りは真っ暗に。一体どんな星空が待っているかと期待していると、「チラ見は禁止ですよ」。感動を最大限に味わうための山内さんのにくい演出が、はやる気持ちを一層かき立てた。待ちに待ったゴーサインで顔を上げると、天然のプラネタリウム、見渡す限りに輝く星が空を埋めていた。

 「自分も日本も世界も地球も小さいのだと感じました」。小学1年生の長男、夫と共に東京から訪れた水野由紀子さん(44)も感激。「小さいうちに見ると絶対いい。視野が広がると思う」と話す山内さんの目も優しく輝いていた。

戦跡にそびえ立つイアオニードル=いずれもハワイ・マウイ島で

戦跡にそびえ立つイアオニードル=いずれもハワイ・マウイ島で

 ハワイ・ツーリズム・オーソリティによると、2014年にマウイ島を訪れた日本人は5万8894人。ホノルルがあるオアフ島の146万9403人と比べると非常に少ない。だが、ここにはのんびりとした時間と雄大な自然に加え、ハワイの歴史の一端を知ることができる場所もある。

 そんな場所の一つイアオ渓谷を訪れた。島の玄関口、カフルイ空港から車で約25分の所にある。1790年、ここを舞台に激しい戦いが繰り広げられた。攻め入ったのはのちにハワイを初めて統一することになるハワイ島出身のカメハメハ。西洋の武器を取り入れ、マウイ軍を破った。

 「勝利を収めたカメハメハはイアオニードルに登り、歓喜の雄たけびを上げたそうです」。車で送迎してくれたジュディ・コジャさん(62)が教えてくれた。イアオニードルとは針のように切り立った高さ約370メートルの絶壁。こんもりと茂る緑で覆われ、訪れた日の頂は薄く霧がかかっていた。そのたたずまいに往時をしのぶ。ハワイ統一までの凄惨(せいさん)な歴史を知ることとなった。

 文・写真 上田貴士

(2016年1月8日 夕刊)

メモ

地図

◆交通
デルタ航空は中部国際、成田空港などからホノルル直行便を運航。
中部からは週5便ほど、成田からは毎日1、2便。
カフルイ空港へはホノルルでの乗り継ぎが必要。

◆問い合わせ
ハワイ州観光局=電03(5213)4643

おすすめ

パイナップルツアー

パイナップルツアー
バウリニューアル

バウリニューアル

★パイナップルツアー
カフルイ空港から車で約20分の町ハリイマイレで、広大な敷地を車で回りながら生産工程を学ぶ。
パイナップルを試食でき、生育段階による甘さの違いを実感できる。

★ハワイの文化体験
ハワイの伝統を大切にするカアナパリ・ビーチ・ホテル(マウイ島)では、ウクレレやフラなど曜日ごとに組まれた全10種を、宿泊者は無料(一部要材料費)で体験できる。
ウクレレは30~45分で4つのコードを学び、初心者でも気軽にハワイ文化に触れられる。

★サンゴ礁を学ぶ
サンゴの生息域にホテルがあるアウトリガー・リゾーツ(ホノルル)が昨年6月に保護活動を始めた。
宿泊者向けには客室でサンゴ礁について学べるビデオ視聴を始めており、徐々に活動の幅を広げていく予定。

★バウリニューアル
結婚後の年数にかかわらず、愛を確かめ合う儀式。
アウトリガー・ワイキキ・ビーチ・リゾートとアウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾート(いずれもホノルル)では、宿泊者は無料で参加できる。
詳細は同ホテルのホームページで。

自然・絶景の宿泊情報

一覧

    現在この情報はありません。

自然・絶景のツアー情報

一覧

    現在この情報はありません。

※掲載された文章および写真、住所などは取材時のものです。あらかじめご了承ください。

旅コラム
国内
海外