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津山、宇野 鉄道の旅

津山、宇野 鉄道の旅 岡山県 褐色に映える機関車庫

転車台を軸に扇形に線路、車庫が広がる旧津山扇形機関車庫=岡山県津山市で
転車台を軸に扇形に線路、車庫が広がる旧津山扇形機関車庫=岡山県津山市で

 国の近代化産業遺産にも指定されている岡山県津山市の鉄道遺産「旧津山扇形機関車庫」をリニューアルした「津山まなびの鉄道館」が4月2日にオープン、鉄道ファンに評判だと聞いて出掛けた。

 施設は、JR津山駅構内の運転区に隣接。正門から少し歩くと「まなびルーム」館の前に、蒸気機関車などの向きを変える転車台を軸に扇形に広がる線路と車庫、車庫に収納された車両群が目に入る。周囲から「わあー、すごい」と歓声が上がった。

 現存する扇形機関車庫としては、4月29日にオープンした京都鉄道博物館内の「梅小路機関車庫」に次ぐ規模を誇るという褐色の眺めは、壮観だ。

 車庫には、日本で唯一の「DE50形ディーゼル機関車」など貴重な13車両が並び、1両ごとに見て回る。「D51形蒸気機関車」からは、「旅立ちの汽笛」と称して復活させた「ポー」と鳴り響く懐かしい汽笛を間近で聞くことができる。入場料も大人300円、小中学生100円と手ごろだ。

 オープンに合わせて、JR岡山駅から津山駅まで58.7キロを、普通列車を改装し、昭和30~40年代の国鉄の気動車を再現した観光列車「みまさかノスタルジー」が土、日曜日に往復運転する。津山駅の桑木敏則駅長は「鉄道の町の遺産を伝え残そうと整備した施設に多くの人に来ていただき、沿線活性化につなげたい」と期待は大きい。

瀬戸内海の玄関口となる宇野港に向け走る観光列車「ラ・マル・ド・ボァ」=玉野市のJR宇野駅で

瀬戸内海の玄関口となる宇野港に向け走る観光列車「ラ・マル・ド・ボァ」=玉野市のJR宇野駅で

 翌日は、岡山駅から宇野駅まで32.8キロを土、日曜日に一往復する観光列車「ラ・マル・ド・ボァ」に乗って、同県玉野市の宇野港を訪れた。列車名はフランス語で「木製の旅行かばん」。普通電車を改装した真っ白な車体の窓枠を黒く縁取ってトランクを描き、フランス語で「ようこそ」など19の言葉をペイントした。清潔で明るい車体に心も弾む。

 車内は桜の木を使った床など落ち着いた雰囲気。窓向きのカウンター席に座り、車内販売の地ビールや桃のジュースを飲みながら、外の田んぼアートなどの景色を楽しんだ。約1時間で宇野駅に到着。宇野港が、すぐ駅前に広がっていた。

宇野港の野外アートで、瀬戸内海のごみで創作した「宇野のチヌ」=同県玉野市で

宇野港の野外アートで、瀬戸内海のごみで創作した「宇野のチヌ」=同県玉野市で

 まず、瀬戸内海産の新鮮な魚を直売する玉野魚市場で昼食。ここでは毎週土、日曜日午前10時から午後1時まで「勝手にご飯会」を開き、刺し身パックなどの購入者にあら汁と炊きたてご飯を100円で提供している。野外の席で、港を眺めながら食べるアナゴのお茶漬けなどの味は格別だった。

 かつて、本州から四国に鉄道で渡る宇高連絡船の発着港だった宇野港。瀬戸大橋開通で連絡船廃止後の今は、世界中から観光客がやってくる現代アートの島・直島や豊島(てしま)、小豆島への玄関口となり、外国の豪華客船も寄港する。今年も瀬戸内国際芸術祭2016の開催でにぎわっており、案内してくれた甫喜山(ほきやま)昇平・玉野市商工観光課係長は「宇野港は連絡船の港から世界のクルーズポートに生まれ変わった」と自慢げだ。

 この日も港の野外アートで、瀬戸内海に漂流したごみで創作した「宇野のチヌ」を鑑賞していると、近くの岸壁にフランスの豪華客船「ル・ソレアル」が停泊しているのが見えた。

一面が緑色に輝く「岡山後楽園」=岡山市で

一面が緑色に輝く「岡山後楽園」=岡山市で

 「ここ数年、豪華客船の乗客に評判なのが岡山市の『岡山後楽園』です」と甫喜山係長。ミシュラン旅行ガイドで三つ星を獲得して、欧州でも一気に有名になったという。その後楽園に寄った。今の季節は、岡山城の天守閣を背に、大きな池、一面の芝生と木々が緑に輝き、欧州の人に人気なのも理解できた。

 文・写真 松井稔

(2015年5月27日 夕刊)

メモ

地図

◆交通
新幹線岡山駅で乗り換え。
津山線の「みまさかノスタルジー」は岡山駅から片道自由席大人1140円、子ども570円、指定席大人1660円、子ども830円。
宇野線の「ラ・マル・ド・ボァ」は全車グリーン車指定席片道大人1350円、子ども1060円。
途中駅で乗降不可。ともに6月末まで。

◆問い合わせ
津山市観光協会=電0868(22)3310
玉野市商工観光課=電0863(33)5005

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津山ホルモンうどん

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路面電車

路面電車

★津山ホルモンうどん
第6回B-1グランプリでシルバーグランプリを獲得したご当地グルメ。
津山市は作州牛の流通拠点で、新鮮なホルモンが安く手に入ることから鉄板焼きメニューとして名物となった。
市内に約50店舗あり、人気店は行列ができる。
うどんとホルモン、野菜に各店の自家製みそだれなどが絶妙な味をつくり出す。

★鷲羽山夕景鑑賞バス
鷲羽山展望台は瀬戸内海国立公園内の瀬戸大橋と大小の島々を見渡せるビュースポットで、日本の夕陽百選に選ばれた。
JR児島駅前5番乗り場から金、土、祝前日の5月中は午後5時30分、6月は同6時発。
510円(大人、子ども同額)。
下津井電鉄児島営業所=電086(472)2811

★路面電車
JR岡山駅前から岡山城など市内観光には本数が多く便利。
料金は100、140円の2区間。
1日乗車券400円。

※掲載された文章および写真、住所などは取材時のものです。あらかじめご了承ください。

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