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ブリスベン

ブリスベン オーストラリア カンガルーに癒やされ

思いのほかおとなしい。放し飼いエリアで、手の上の餌を食べるカンガルー

思いのほかおとなしい。放し飼いエリアで、手の上の餌を食べるカンガルー

 2ヘクタールの放し飼いエリアの木陰でカンガルーが10匹ほど横になって休んでいる。「今日は暑いので日陰から出てこないんですよ」とガイドのエイミーさん。訪れたのは5月の下旬。季節が日本と逆のオーストラリアは秋の終わりのころだった。

 川に面して街が広がるリバーシティー・ブリスベン。人口220万人のこの街はシドニー、メルボルンに続くオーストラリア第3の都市で、クイーンズランド州の州都でもある。

 市内から車で約20分。1927年に設立された世界最大・最古のコアラ保護区「ローンパイン・コアラサンクチュアリ」にはコアラ130匹、カンガルー150匹がいる。オーストラリア固有の動物は、コアラ、ウォンバットなど100種を超える。

 コアラを抱っこしての写真撮影は定番だが、おすすめはカンガルーの餌づけ。早速、2豪ドル(約158円)で餌を買った。放し飼いエリアに100匹以上のカンガルーがいるという。奈良公園のシカのように集まってくるかと身構えたが、カンガルーは焦らない。餌を手に、1匹に差し出すと、そろりと近づきモフモフと口に含む。頭をなでても嫌がらず、よく見るとまつげが長く垂れ目がかわいい。

ライトアップされたストーリー・ブリッジとシティーの高層ビル群

ライトアップされたストーリー・ブリッジとシティーの高層ビル群

 続いてラグビー観戦へ。人気は断トツで、どこのレストランでもスポーツ中継はラグビーだ。市街地から車で十分のサンコープ・スタジアムに向かった。

 試合はブリスベンに本拠を置く「レッズ」と、日本の「サンウルブズ」との一戦だった。レッズには五郎丸歩選手(来季はフランスへ移籍)が出場していた。客席はホームとアウェーで分かれていない。応援の鳴り物もなく、妙に静かで少し拍子抜けしたが、プレーが白熱してくると大柄なオージー(オーストラリア人)たちの「GO!GO!」という声が波のように大きくなっていく。トライが決まると熱気が爆発する。私も思わず「いけ!」と叫んでいた。

 ブリスベンは英国の流刑入植地だった歴史を持つ。1830年代に一般人の入植が始まり、発展した。街のランドマークはブリスベン川にかかるストーリー・ブリッジ。1940年に完成し、建設に尽力した公務員の名にちなんで付けられた。夜になるとライトアップされるので、撮影しようと無料フェリー「シティーホッパー」に乗りこんだが、吹き抜けの2階席は満席。川面に鮮やかな緑と都市の明かりが揺らめいていた。

 ブリスベンは街歩きも楽しい。シティー(市中心部)の通りには英国王室にちなんだ名前がつけられている。クイーン・ストリートは目抜き通りでショップやカフェが軒を連ね、人通りが絶えない。川の南側には泳げる人工ビーチがある。街の人は「夏はビーチの人の数で暑さが分かる」と笑う。砂は湿気がないので、はらうだけで落ちる。近代美術館や週末に開かれるマーケットなども人気だ。

乗り心地の良さがやみつきになる立ち乗り電動二輪車=いずれもオーストラリア・ブリスベンで

乗り心地の良さがやみつきになる立ち乗り電動二輪車=いずれもオーストラリア・ブリスベンで

 旅の最終日、観光客に人気の立ち乗り電動二輪車セグウェイに挑戦した。川沿いを自転車より少し遅い速さで走る。立っているだけなのに次々と歩行者を追い越していき、頬をなでる風が心地よい。教えてくれたアーロンさんに「ベリーグッド!」と言うと、「そんなときはね、Bonza!(ボンザ!)」と親指を立てた。現地の俗語で素晴らしいとか抜群という意味だそうだ。

 でもあとで聞くと、若い人はあまり使わない言葉らしい。アーロンさんは30代に見えたが、純粋に現地の文化を教えてくれたようだ。なのであえて言おう。大満足できた「ボンザな旅」だった、と。

 文・写真 由木直子

(2016年7月22日 夕刊)

メモ

地図

◆交通
直行便は成田空港からカンタス航空が運航している。
1日1往復で所要時間は約9時間。
成田のほか、羽田、関西国際空港からシドニーまたはケアンズ経由の乗り換え便がある。

◆問い合わせ
クイーンズランド州政府観光局のホームページへ。
同観光局で検索。

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★ヌーサ・チョコレート・ファクトリー
シティーのアデレード・ストリートにあるブリスベン発祥のチョコレートショップ。
甘すぎないチョコの中にはアーモンド、マカダミアナッツなどの一般的なものから現地では人気のリコリスという木の根を加工したものなど。
100グラム単位(5豪ドル程度)の量り売りなので選ぶのも楽しい。

★地ビール
オーストラリアには各州に代表的な地ビールがあり、クイーンズランド州は「XXXX(フォーエックス)」。
市内のミルトン駅近くにある製造工場にはレストランが併設されており、工場直送の新鮮なビールとハンバーガーなどを楽しめる。
工場の見学ツアー(18歳以上は32豪ドル)も開催している。予約優先。

★ブリスベン・ビジターインフォメーション&ブッキングセンター
目抜き通りのクイーン・ストリート・モールにある劇場を改装した観光案内所。
情報収集はもちろん、1920年代の内装は荘厳で美しく思わず見とれてしまう。

※掲載された文章および写真、住所などは取材時のものです。あらかじめご了承ください。

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