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白山平泉寺

白山平泉寺 福井県勝山市 緑に浸り栄華しのぶ

平泉寺白山神社の二の鳥居から真っすぐ進むと拝殿(左奥)にたどり着く。右手の道は白山への登山口に続いていた

平泉寺白山神社の二の鳥居から真っすぐ進むと拝殿(左奥)にたどり着く。右手の道は白山への登山口に続いていた

 福井県勝山市の旧跡、白山平泉寺(はくさんへいせんじ)。今年、越前の僧・泰澄(たいちょう)大師が、717(養老元)年に石川、岐阜両県にまたがる白山を開山して1300年となる。平泉寺の御手洗池(みたらしいけ)に現れた女神が大師に白山に登ってくるように告げたという。

 うっそうとした杉林、ヒノキゴケ、ホソバオキナゴケなど約200種類の境内のコケが湿気を帯びて美しい。緑の中を歩いた。夫婦や親子連れと行き違い目が合うと、どちらからともなく「こんにちは」の声が出てくる。樹林を縫って大地に届く日差しが神妙な気分にさせる。

 一の鳥居をくぐってまもなく左手に折れて御手洗池があり、さらに二の鳥居から道が分かれ、直進すると拝殿、右手に行くとかつて白山へ続いていた登山口があった。「鳥居」「拝殿」で分かるように正式名称は平泉寺白山神社だ。御手洗池近くにある宝物館では21日まで神社の宝物を特別公開している。

 勝山市の松村英之主任学芸員は「『平家物語』にも登場します。平家との戦いを前に木曽義仲が白山の神仏に勝利を祈願しています」。その後、比叡山の末寺となって勢力を伸ばし、戦国時代には僧兵らが8000人いたという。明治の神仏分離令により、寺号を廃止し神社となった。

 旧境内を出て総合案内施設「白山平泉寺歴史探遊館まほろば」に入った。発掘調査した出土品、中国渡来の青花皿や瀬戸、美濃焼などが往時の栄華を今に伝えている。今年は開山1300年とあって、4~6月に平泉寺周辺を訪れた人は昨年に比べ約2.5倍の10万人近くとなった。

織り方について説明する「ゆめおーれ勝山」の新谷秀子さん

織り方について説明する「ゆめおーれ勝山」の新谷秀子さん

 山を下りて市中心部へ。勝山市といえばかつては繊維の街。織物産業の盛衰が分かるのが「はたや記念館 ゆめおーれ勝山」だ。1887(明治20)年に群馬県の桐生から絹織物羽二重(はぶたえ)の技術が伝えられ、1937(昭和12)年に人絹織物生産高のピークを迎えた。同館の山本一郎支配人は「路地に入ってもどこに行っても機を織る音が聞こえた」という。

 記念館は、市内に現存する最も古い機業場を保存し活用している。工場で長く働いた後、記念館に勤め7年になるという新谷秀子さん(72)が電動式の力織機(りきしょっき)を実演。「バッタン、バッタン」と思った以上の大きな音で迫力がある。このほか自分の好きな色の糸を選んで「コースター」を作る手織り体験コーナーなどもあって楽しめる。

 この後、福井県立恐竜博物館へ向かった。正面玄関からエスカレーターで降りると太古の世界へ。地上3階、地下1階建てで展示室は高さ約37.5メートルのドーム形。全身骨格が44体もある。米ワイオミング州で発掘されたカマラサウルスは全長15メートルで、ほぼすべて実物の骨化石を使って展示している。

太古の世界を目の当たりにできる。44体の全身骨格などが展示されている恐竜博物館=いずれも福井県勝山市で

太古の世界を目の当たりにできる。44体の全身骨格などが展示されている恐竜博物館=いずれも福井県勝山市で

 勝山市北谷町で発見されたフクイラプトル・キタダニエンシスもあった。こちらは複製だが、体長4.2メートル、約1億2000万年前、白亜紀前期に生息した肉食恐竜。後藤道治副館長が「かれらが生きていたころは、地球はこんな感じ」と指し示したパネルを見ると北アメリカ、ユーラシア、アフリカ大陸などがひとまとまりになっていた。「白山も九頭竜川もない。恐竜たちが生きていたのは、この地域がアジア大陸のはしっこにあった時代です」(後藤副館長)という。悠久の昔からの歴史に思いを巡らせた。

 文・写真 川瀬真人

(2017年8月4日 夕刊)

メモ

地図

◆交通
東京からは東海道新幹線「ひかり」で米原乗り換え、または北陸新幹線で金沢乗り換え、JR北陸線で福井駅下車。
名古屋からは直通の特急「しらさぎ」が便利。
福井駅からは、えちぜん鉄道・勝山永平寺線に乗り勝山駅下車(約1時間)。
土日祝日運行(20日までは毎日運行)の市内観光バスがある。

◆問い合わせ
勝山市観光政策課=電0779(88)8117

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越前大仏

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★かつやまディノパーク
恐竜博物館の隣にある冒険アトラクション。
一周460メートルの周遊コースに実物大の恐竜33体を設置。
近づくとセンサーで感知、うなり声をあげる。
入場料4歳以上600円、3歳以下無料。
電0779(88)8777

★福井ご当地グルメ「ソースカツ丼セット」
恐竜博物館内のカフェ&レストラン「ディノ」のメニュー。
ミニおろしそば、みそ汁、香の物がつく、1130円。
このほか、卵を守る恐竜の姿をかたどった「恐竜の巣カレー」(1060円)などがある。

★越前大仏
1987(昭和62)年に落慶した大師山清大寺(勝山市片瀬)の大仏殿に安置された座像。
高さ17メートル。
22ヘクタールの広大な境内には高さ75メートルの五重塔や日本庭園などがある。
拝観料大人500円、小・中・高生300円、未就学児無料。
電0779(87)3300

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