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ダーバン、ポートエリザベス

ダーバン、ポートエリザベス 南アフリカ 心躍った自然や動物

波しぶきが夕焼けに照らされピンク色になったレシフェ岬周辺の海岸=南アフリカ・ポートエリザベスで

波しぶきが夕焼けに照らされピンク色になったレシフェ岬周辺の海岸=南アフリカ・ポートエリザベスで

 街中でも香辛料の香りが漂う。思わずどこの国かと錯覚するほどだ。南アフリカのダーバンを訪れた。ダーバンはヨハネスブルク、ケープタウンに次ぐ国内第3の大都市。インド系住民が多い。

 インド系住民のルーツは、南アフリカが英国の植民地だった時代にサトウキビ栽培や鉱山の労働力として連れてこられたり、商人として移り住んだりした人たちが多い。マハトマ・ガンジーも弁護士時代に南アフリカで人種差別政策反対の活動を行っていた。

 インド洋に面した南北6キロほどの「ゴールデンマイル」と呼ばれるビーチにはホテルが連なり、マリンスポーツの聖地となっている。中でもサーフィンの人気は高く世界各地からサーファーたちが訪れる。

 ダーバンは年間を通して320日が晴れということだったが、空港を出たらまさかの雨。しかも数年ぶりという嵐で、数日間は暴風雨が続いた。

 本職はカメラマンだけになんとか写真を撮りたいと願うと、思いが通じたのか移動日の前日には天候も落ち着いた。

 早起きして日の出前にビーチに出向いた。桟橋で写真を撮っていると、次々とサーファーたちが「格好良く撮ってくれよ」と言い残して桟橋の先端から海へ飛び込んでいった。

 大人に交じり、子どものサーファーもいた。波の上でサーフボードに腰掛け、太陽が水平線から顔を出す瞬間をうかがっているように見えた。ゆっくりとした美しい時間が流れ、私もその姿を一枚ずつ撮っていった。

サファリツアーの最後に顔を見せてくれたバファロー=南アフリカ・アドゥ・エレファント国立公園で

サファリツアーの最後に顔を見せてくれたバファロー=南アフリカ・アドゥ・エレファント国立公園で

 ダーバンから南西へ約700キロ。国内線に乗り1時間20分でポートエリザベスに着いた。

 この街の周辺にはオーシャンサファリをはじめとして動物を見学できる施設が多い。北に約70キロのところにあるアドゥ・エレファント国立公園を訪れた。ここは密猟で減ってしまったアフリカゾウを保護する目的で1931年に設立された。かつては16頭まで減ったゾウが、今では700頭以上が生息するまでに回復したという。

 香川県より一回り小さな1640平方キロメートルの広大な土地には「ビッグファイブ」と呼ばれる人気動物のライオン、アフリカゾウ、ヒョウ、バファロー、サイがすべて生息している。

 早朝、公園内を走る専用のサファリバスに乗った。日本と季節が逆なので頬がピリピリとする寒さの中、深い霧に覆われた園内を回った。セグロジャッカルやイボイノシシの群れが続々と現れ、子どものころから思い描いていたアフリカの姿が眼前に広がる。

 ガイドのヘッドマンさんが大きな足跡、まだ新しいふんを発見した。ゾウが近くにいるらしい。期待は高まったが、ゾウは現れなかった。「けさは寒かったから草むらの中でおとなしくしていたんだろう」

 やや気落ちしたが帰路の途中で前の方から一頭のバファローが歩いてきた。ヘッドマンさんは「ラッキーだぞ。この公園ではバファローはゾウより少ない。見られることは珍しいよ」とやや興奮気味に話した。

波しぶきが夕焼けに照らされピンク色になったレシフェ岬周辺の海岸=南アフリカ・ポートエリザベスで

波しぶきが夕焼けに照らされピンク色になったレシフェ岬周辺の海岸=南アフリカ・ポートエリザベスで

 旅の終盤には市街地から南東に約10キロ、レシフェ岬周辺にある野生のアフリカペンギンと海鳥の保護施設や1851年に建てられたレシフェ岬灯台を見学。

 日が暮れ始めた海岸では高波が岩にぶつかって舞い上がったもやに夕焼けの光が当たり、一面に淡いピンク色の景色が広がった。「ロマンチックだなあ」と思っていると、まさに手をつないだカップルがビーチを歩く姿に出会った。

 訪れるまでは「南アフリカ」に縁遠いイメージを持っていたが、多様な文化と美しい自然、愛らしい動物たちが織りなす世界にすっかり魅了されてしまった。

 文・写真 平野皓士朗

(2017年9月8日 夕刊)

メモ

地図

◆交通
南アフリカへの直行便は日本からはなく、香港などで乗り継ぎ、最大都市のヨハネスブルクへ。
香港からヨハネスブルクへは約13時間。
ヨハネスブルクから空路でダーバンは1時間5分、ポートエリザベスは1時間40分。

◆問い合わせ
南アフリカ観光局=電03(3478)7601

おすすめ

ビーズ細工

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バニーチャウ

バニーチャウ

★ビーズ細工
ズールー人やンデベレ人が得意としている伝統文化。
ダーバンのビクトリア・ストリート・マーケットや各空港などで土産物として人気。
ブレスレットやピアスなどのアクセサリーのほか、さまざまな用途で用いられる。
カラフルな配色がかわいい。
値段は15ランド(約120円)程度から。

★バニーチャウ
しっとりとした濃厚な食パンをくりぬき、カレーを流し込んだインド文化から生まれた郷土料理。
くりぬいたパンはカレーの上に載せて食べたり、ルーにつけて食べたりする。
ハーフ(100ランド程度)、クオーター(60ランド程度)が選べる。
ハーフは成人男性でも食べきれないほどだ。

★オーシャンサファリ
ポートエリザベスの港からモーターボートに乗って出発。
沖合の島に生息する野生のアフリカペンギンやイルカを見学する3時間のコース。
ペンギンたちが海から顔だけを出している様子はとてもかわいらしく、
300頭近いイルカの群れが船のすぐそばを泳いでいく姿は圧巻。

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