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パラセーリング

パラセーリング 那覇市 海原見渡し「空中散歩」

パラセーリングの準備をする参加者

パラセーリングの準備をする参加者

 沖縄といえば、青い空と海。今の時季は台風の心配もなく、暖かくて過ごしやすい。そう思い込んでいた私は、冬に野外レジャーを満喫しようと、那覇市発のパラセーリング体験を予約した。

 パラセーリングは、パラシュートをボートで引っ張ってもらい、上空から景色を楽しむ。準備や練習の必要がない手軽さも魅力だ。沖縄ならば、上空から青い海が見え、空も青くて爽快だろうと思ったのだが、よく調べると、冬の沖縄の天気は「曇りや雨の日が続く」「強い季節風が吹く」とある。完全に見込み違いだったが後の祭り。でも、さすがに毎日荒れた天気ではないはず。楽観的に構えて現地へ飛んだ。

 幸い、予約した日は決行となったが、風速は5メートル前後ある。前日は7メートルや8メートル台が記録され、中止になっていた。三重城(みえぐすく)港に集合し、ボートに乗り込む。その時にスタッフから「今日は風と波があるので船はかなり揺れます。慣れていない皆さんは驚くかもしれません」と説明があった。

那覇市沖でボートに引っ張られ、上空からの眺めを楽しむパラセーリング。ここからあっという間に上空50メートルまで上昇する

那覇市沖でボートに引っ張られ、上空からの眺めを楽しむパラセーリング。ここからあっという間に上空50メートルまで上昇する

 ライフジャケットを着用し、靴を脱いで席に座った。ボートは時速20~30キロほどのスピードだが、強風で髪があおられっぱなし。船は揺れるというか、跳ねるようだ。一緒に乗船した岐阜県から来た大学4年生の女子3人組は「アトラクションみたい」とはしゃいでいた。ちなみに、穏やかな日もちゃんとあるそうだ。

 着地の姿勢などのレクチャーを受けている間に、ボートは那覇から西のチービシと呼ばれる環礁方向に向かっていく。港は晴れていたが、沖の方は残念ながら曇っている。20分ほどでポイントに到着し、大きなパラシュートが準備されると、船内から「わあ」と歓声が上がった。私と大学生たちは4人で1組になり、船の後方に座って待機する。

 スタッフが私たちが着けているハーネスとパラシュートをつないでいくと、いよいよ飛ぶんだとドキドキとワクワクが最高潮に。パラシュートとつながるロープが延びると、床から足が離れた。「あ、浮いた!」と思ったのもつかの間、ぐんぐんロープが延びて、気付けば上空50メートルにいた。

上空から見た景色。前方の海は透明度が高いため色が違う

上空から見た景色。前方の海は透明度が高いため色が違う

 「すごい」「やばい」「めっちゃきれい」。歓声を上げる3人の横で、私はカメラのシャッターを押し続けた。視界に広がるのはとにかく海。前方に見える島の周りは海の透明度が高く、エメラルドグリーンだ。撮影に夢中になりながら、「ずっと眺めていたいな」と感じた。運が良ければ、真下にウミガメが見られるという話を聞いていたが、そんなことは吹き飛んでいた。

 ロープ1本の支えでも、ふわふわするような不安定さはないので、安心して体を預けられる。ゴーと風の音がしてパラシュートが左右に振られることがあった。さすがに怖かったが、それもまた楽しい。ただ、足が冷えるのはつらかった。上空にいたのは約10分だったが、満足したものの、もっと遠くの景色も見てみたかった。

 港に戻り、興奮と緊張から解放されると、おなかが減ったので、第一牧志(まきし)公設市場の周辺へ。前日、「まち巡り」に参加した時に、さまざまな店が立ち並んだ「迷宮」のような場所が強烈な印象で、また足が向いていた。沖縄名物のソーキそばを食べて、アーケード街を歩き回る。修学旅行生や大勢の観光客、店先でおしゃべりする地元の女性たち、昼間でもにぎわう居酒屋。午前中のすっきりとした「空中散歩」とは対照的な熱気に満ちた光景が広がっていた。

 文・写真 安田朱希

(2018年1月19日 夕刊)

メモ

地図

◆交通
那覇空港へは中部国際空港から約2時間半、羽田空港から約3時間。
三重城港へは、ゆいレール「県庁前」駅からタクシーで約10分。

◆観光情報
那覇市観光協会=電098(862)1442

おすすめ

那覇まちま~い

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琉球定食

琉球定食

★通年楽しめる
今回利用したのはレジャー催行会社の「シーワールド」。
パラセーリングは通年開催。
那覇市以外に北部の本部(もとぶ)町の港からも出航している。
体験料は7000円。
電098(864)5755

★那覇まちま~い
「まちま~い」は「まち巡り」という意味。
那覇の世界遺産や市場、路地などを、その地に精通したガイドの案内で歩く。
首里城や第一牧志公設市場周辺のアーケード街など毎日開催されるものや期間限定のものがあり、冬季は計22コースが用意されている。
有料。
電098(860)5780

★花笠食堂
平和通り沿いにあり、ゴーヤーチャンプルー、ヘチマの炒め物、テビチ(豚足の煮込み)など、沖縄の定番料理が豊富。
人気があるのは琉球定食で1100円。
電098(866)6085

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