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台中フローラ世界博覧会

台中フローラ世界博覧会 台湾・台中市 咲き誇る多彩な展示

色とりどりのコチョウランを使ったオブジェ

色とりどりのコチョウランを使ったオブジェ

 昼間は20度以上になる1月の台湾。過ごしやすい陽気の中、「2018台中フローラ世界博覧会」(台中花博)の后里(こうり)馬場・森林会場を訪れた。多くの人でにぎわい活気がある。台中花博は昨年11月に開幕、4月24日まで開催され、他にも外埔、豊原の2会場で行われている。場所によってテーマも違う。后里馬場・森林会場は面積約30ヘクタール、全会場合わせて60ヘクタール超というスケールだ。

 この花博には世界の約30の国・地域が参加、「国際園芸家協会」(AIPH)の承認を得て「世界」を名乗れ、台湾としては久々の国際的なビッグイベント開催となった。

 カシャカシャ-。森林会場に入ると不思議な音が聞こえてきた。見上げるような赤い機械の花、その名も「花開く音に耳を澄ませる」というオブジェが開く音だ。音、光、風で697個の小さな花の開き具合が変化する。人の声がたくさん聞こえると恥ずかしくて花を閉じるといい、子どもたちが大きな声を出して興じていた。

 馬場会場の花舞館ではコチョウランの歴史や輸出方法などが展示されていた。館内の蘭(らん)館では、中央の「蘭からのメッセージ」という雲のような形をしたオブジェが目を引く。色とりどりのコチョウランを数千本使っていて、1時間に1度の光の演出に見入ってしまった。

 台湾は世界有数のコチョウランの生産地。館内には100種類以上が展示されている。コチョウランを育成する李蒼裕さんは「コチョウランは花の色が多様で開花の時期が長いのが魅力。条件を保てば2カ月もつ」と話す。世界的に人気なのは花の大きさが10センチほどの白い色という。日本でよく見るのは白やピンクだが、オレンジや黄色、あるいは「フォーピース」というしま模様が入った品種など、色とりどりな花があり驚いた。

人の声や風などに反応して機械の花が動く「花開く音に耳を澄ませる」

人の声や風などに反応して機械の花が動く「花開く音に耳を澄ませる」

 ホールでは期間中にブライダルや盆栽などをテーマに10回ものコンテストが行われ、何度訪れても違った展示が楽しめそう。家族と一緒に来場していた女性は「来るのは2度目。ランの王国と知っているけれど見る機会は少ないので、花博が開催されたのは世界へのアピールにもなっていいことだと思う」と笑顔で話してくれた。

来場者も参加して行われた先住民の踊りなどを紹介するステージ

来場者も参加して行われた先住民の踊りなどを紹介するステージ

 花博といっても花、植物だけではない。鉄彫刻の「芸術に囲まれた世界」のようにアートも楽しめる。馬と写真を撮ったり1938(昭和13)年に建てられた厩舎(きゅうしゃ)を見たりすることもできる。世界の先住民の踊りを見るステージもある。森林会場の「持続可能なガーデン」では100年以上もつ家の造りを教えてもらえた。家の周りの木々は元々生えていたものを残したそうで、木を切らないために屋根の一部に穴を開けた場所も。また、さまざまな建物で廃材やごみをリサイクルして使い、環境にやさしい設計がされている。会場内のベンチも台中市内の道路で大きくなり危なくなって伐採した木を使っているという。

 発現館ではタイワンヤマネコの剥製が置かれ、スマートで目が丸くかわいらしい姿を目にすることもできる。会場探しの際に后里で見つかったことから、台中花博のマスコットにしたという。

 普段の生活ではここまで多く自然と触れ合うこともない。「花開く音に耳を澄ませる」時間も必要だと感じた。台湾で動植物との共生や未来について考えさせられた。

  文・写真 池田まみ

(2019年1月25日 夕刊)

発現館で展示されているタイワンヤマネコの剥製=いずれも台湾・台中市で

発現館で展示されているタイワンヤマネコの剥製=いずれも台湾・台中市で

メモ

地図

◆交通
台湾へは羽田、成田、中部国際など日本各地の空港から定期便が就航している。
台中花博の后里馬場・森林会場へは高速鉄道(高鉄、台湾新幹線)で苗栗駅または台中駅下車、台湾鉄道(台鉄、在来線)に乗り換えて后里駅へ。
同駅から会場へは徒歩か無料シャトルバスで。

◆観光情報
台中花博の公式ホームページが詳しい。
日本語のページもある。

おすすめ

ONESHOE

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鉄観音茶とお茶菓子のセット

鉄観音茶とお茶菓子のセット

★花博の開場時間・入場料
午前9時~午後7時(入場は6時まで)、后里、豊原会場は金、土曜のみ午後9時まで(同8時まで)。
入場料大人350元(1元=約3.5円)。

★ONESHOE
台鉄・台中駅からタクシーで約10分。
公務員宿舎をリノベーションし、飲食店や雑貨店が入る審計新村内にある。
正午~午後6時。
台湾製の靴や衣類、アクセサリーなどを販売。
靴は左右違うサイズ、柄を選べる。

★悲歓歳月人文茶館
台鉄・台中駅からタクシーで約8分。
午前11時~午後9時。
建物の中は畳敷きで、香りも楽しめる鉄観音茶とお茶菓子のセットがおすすめ。
450元。
お茶のいれ方も教えてくれる。

※掲載された文章および写真、住所などは取材時のものです。あらかじめご了承ください。

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