いまから160年以上も前、中国・清朝と英国が交戦したアヘン戦争。敗れた清朝が、1842年の南京条約に基づき、開港した都市の一つが厦門(アモイ)だった-。高校時代に世界史の授業で、確かそう習った覚えがある。
福建省の南東部、九竜江の河口に位置するこの海辺の街は、近年は経済特区の一つとして発展してきた。その証拠に、比較的真新しい国際空港から中心部に入ると、近代的な超高層のオフィスビル、真新しい十数階建てのマンション群が目に飛び込んできた。
歴史ロマンはどこに…。そう思っていたら、厦門を代表する観光地、コロンス島(鼓浪嶼)で存分に実感できると聞いた。厦門の市街地から南西部にある小さな島。ぐるりと海岸線を回っても2キロ足らず。市民の憩いの場ともなっている埠頭(ふとう)から、フェリーでわずか十分ほど。リゾート地だけあって、乗り込んだ船内は中国人観光客であふれていた。
フェリーを下りた船着き場からは、石畳のなだらかな坂が続く。島内では自動車が禁じられているそうだ。土産物店が並ぶ街角を進むと、「こんにちは」「いらっしゃい」。フルーツや貝の装飾品が並ぶ店先で、日本語で声を掛けられた。
土産物店の通りを抜けると、赤れんが造りの洋館や、白い壁の別荘のような建物が、路地の両側に並ぶように。20世紀に入ると、島は共同租界地となり、英国や米国、フランスなどの居留地となったという。これらの建物は当時の名残。廃虚もあれば、アパートになっていて生活する人が窓越しに見下ろすことも。エキゾチックな雰囲気と、生活感が交錯する。「島に2万人ほどが暮らしている」と、地元の男性が教えてくれた。




















