今もフラダンスは健在
冬の終わりでもさすがはハワイ。汗が流れるほど暑い。たとえ福島にあっても、だ。
ドームの天井を通して降り注ぐ光が、1000平方メートルの大プールと本物のヤシの木に反射する。県内で最も温暖といわれるいわき市にあってなお、滞在型温泉テーマパーク、スパリゾートハワイアンズのメーン施設「ウォーターパーク」は、年間を通して室温28度をキープ。今すぐ青い水に飛び込みたくなる。
平日の昼間でもお客が多い。60代の夫婦は、東京在住でもう3、4回来ているという。「いつも2泊する。施設がいろいろあって楽しめるし、ショーも素晴らしい。暇つぶしするには最高だね」。20代の夫婦は、子どもにせがまれて茨城から。4歳と2歳の姉妹に「プール楽しい?」と聞くと、大きくうなずいた。
スパリゾートという名前にピンとこなくても「常磐ハワイアンセンター」と聞けば、ひざを打つ人も多いのでは。「常磐」と「ハワイ」の組み合わせが何となく微苦笑を誘った老舗レジャーランドは、1990年に名称を変えて大幅リニューアル。“象徴”であるハワイの色を残したウォーターパークを取り囲むように4つの温浴施設を建てていった。
南欧のスパリゾートを模したタイル張りの「スプリングパーク」、ゾーン別に色分けされた屋外の「スパガーデンパレオ」ではジャグジーや打たせ湯、歩行浴など多彩な浴槽が楽しめる。健康と美がテーマの「ウイルポート」にはエクササイズやエステなどの施設も。そして日本一の大露天風呂「江戸情話与市」は、江戸時代の湯屋の風情を再現する。
「『ハワイ』だけでずーっと押していたら、今ごろここは無かったかもしれません」。スパリゾートハワイアンズ取締役企画部長の坂本征夫さんは話す。各地のテーマパークが不振にあえぐ中、同館はこの2月に来館者5千万人を突破したという。
地下から豊富にわき出す温泉は、かつてこの地にあった本州最大の炭坑「常磐炭礦」にとっては、労働環境を悪化させる“負の経営資源”だった。昭和30年代のエネルギー革命で炭坑の経営が危機に陥った時、従業員とその家族数万人を救う手だてとして、捨てていた温泉の熱エネルギーを利用し造り上げたのが常磐ハワイアンセンター。1966(昭和41)年、まだハワイがあこがれの海外旅行先だったころだ。




















