開場8年 老若問わず人気
高知のびんびは生きがえい 食てみてほんとに うまいぜよ
「びんび」とは、方言で「お魚」のこと。土佐弁の陽気な誘い文句が、市場ののれんで踊る。
高知市の「ひろめ市場」を訪ねた。高知城から徒歩約2分の場所にある。名前は土佐藩主、山内家の家老だった深尾弘人蕃顕(ふかお・ひろめしげあき)に由来する。市場周辺は深尾家の屋敷跡。市民は親しみをこめて一帯を「ひろめ屋敷」と呼んできた。
市場といっても屋内にあり、巨大な屋台村と言った方がいい。鮮魚店、飲食店、バー、雑貨屋、花屋など約60店舗が雑然と並ぶ。
鉄骨3階建てのビルの1階にあり、床面積は約3千平方メートル。一店舗は約13平方メートルと狭く、ほとんどの店に客席はない。中央に全店共通のテーブルがある。客は市場内で買った物を持ち寄り、相席で座る。
カツオのたたき、ウツボのから揚げ、鯨肉にサバずし…。海と川の幸は何でもある。中華料理、たこ焼き屋、イタリアン、土佐和牛の店も並ぶ。
「酒の国」と称される高知らしく、昼間からお酒を提供する店も多い。インド人が経営するカレー屋でも焼酎を出すから、おもしろい。
平日は1日に約8千-1万2千人、休日には2万-4万人が訪れる。
午前中は、新鮮な魚と、話し相手を求めて地元のお年寄りが集まる。
県庁やビジネス街から近く、昼にはOLがランチを食べに来る。放課後には中高生が押し寄せる。観光客ももちろん多い。
夜、鼻歌を歌いながら1人でビールを飲む初老の男性の姿があった。
「お父さん、まぁこれ食べて」。店主が男性に声をかけた。




















