エメラルドグリーンの遠浅の海を水牛車がゆっくりと進んでいく。
降り注ぐ亜熱帯の日差しは、木製の屋根に遮られ、日焼けした肌に海風が心地よい。
八重山諸島最大の島、西表島からすぐ沖の由布島まで、時間の流れが止まったかのような牛車の旅。深さ20センチほどの海に時々、魚がはねる。途中で牛が立ち止まり「ポチャン」と水の音。「ここは全部、水洗トイレさ」とガイドのおじさんが笑った。
ここの水牛には1頭ずつ名前があり、私たちの牛は「ゆうさく」。みな、さかのぼると祖先は「大五郎」と「花子」に行き当たる。家系図がプリントされたタオルも売られていた。牛車の屋根裏には「安里屋(あさどや)ユンタ」など沖縄民謡の歌詞が張ってある。
約10分ほどで由布島に着く。島全体が「亜熱帯植物楽園」という名前の植物園になっていて、遊歩道が整備されている。入り口の門のところに赤いくちばしの「アカショウビン」がいた。大きくまんまるの目がかわいい。
園内はトックリヤシやデイゴなど南国系の樹木が整然と植えられ、ブーゲンビリアやハイビスカスが咲き乱れている。ビニールハウスのようなつくりの「蝶々園」には白黒のまだら模様の「オオゴマダラ」が飛び交っている。そして奥の方の木には、金色に輝くそのマダラのさなぎがクリスマスツリーの飾りのように下がっていた。
遊歩道をさらに進むと、小中学校の跡地があり、門だけが残っていた。かつては同じ八重山諸島の竹富島や黒島から移住した人たちが多く住んでいたのだが、1969年の台風で壊滅的なダメージを受け、西表島に移っていったという。




















