いやしの温泉郷 マニアにも人気
落人伝説にまつわる「かずら橋」が仲良く2つ。濃さを増した秋色の山ふところに寄り添うように架かっていた。
日本三大秘境の一つといわれる徳島県の祖谷(いや)渓にある「かずら橋」はよく知られている。しかしその橋からさらに40キロほど奥の山中にも「二重かずら橋」があることを聞き、興味を持った。
JR大歩危(おおぼけ)駅から車で20分ほどの距離にある“本家”の「祖谷かずら橋」を渡った後、奥祖谷を目指した。国道とはいえ、カーブの連続する山道を走ること1時間半超。西日本では石鎚山(愛媛県)に次ぐ標高を誇る剣山(1955メートル)の山ろく集落・名頃に到着した。屋島の合戦で敗れた平家の一族がこの地に逃れた。かずら橋は、源氏の追っ手が来たらすぐに切り落とせるように、野生のシラクチカズラで作ったと伝えられている。
国道から谷へ30メートルほど下ると、まず「男橋」が目に入った。その上流にちょっと小ぶりの「女橋」。女橋は川面から7、8メートルだが、男橋は20メートルを超える。最初に渡った女橋は思ったほどの恐怖感はなかったが、男橋は想定外。40メートルほどある橋を渡ろうとしたとたん足がすくんだ。踏んでいるのは編んだカズラに通した幅10センチ足らずの床板だけ。間隔が30センチほどあるため、見通しが良すぎる。次の一歩が出ない。踏みしめるたびに「ゆらり」。さらに反対側から来る人による揺れが不規則に続くと、紅葉を楽しむ余裕はゼロ。




















