坂の上の雲フィールドミュージアム構想
司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」は松山出身の秋山好古、秋山真之、正岡子規の3人を主人公にした近代日本の形成を時代の流れの中で描いた小説である。松山市は市内全体を「屋根のない博物館」とした構想があり、その中心がこのミュージアム。建物も非常にユニークで三角形という大胆な形で、各階はスロープで結ばれている。案内していただいたスタッフの話では安藤忠雄さんの設計したこの建物を目的にいらっしゃる方も多いとか。
ミュージアムすぐ横の山頂には松山城がある。お城へ向かうにはロープウェイか、リフトに乗って行くのだが、その駅に向かう途中に“「坂の上の雲」のまち松山 スペシャルドラマ館”がある。NHKで放映されたドラマの出演者が着た衣装や小道具が展示されており、それを通して3人の人物像をわかりやすく説明している。またミュージアム方面に戻る途中には秋山兄弟の生誕地もあるので寄ってみるのもいいだろう。
松山市内を一望できる天守閣から南を見ると屋上にある観覧車が見える。そのすぐ後ろ側辺りに「子規堂」がある。正確には松山市駅のすぐ南の正宗寺の境内。17歳まで過ごした子規の邸宅を模して建てられた木造建物には子規が使っていた机や遺墨、遺品などが展示されている。また子規は「野球」という名称の名付け親でもあり、野球の技術・規則を記述解説し、世に推奨させた功労者と明記された「碑」もここにはある。
松山の名所「道後温泉」の駅付近の道後公園にある「子規記念博物館」は、子規の世界を通して松山に親しみ、文化の創造に役立てるという趣旨の文学系博物館。ここでは子規の生きた時代や子規のめざした世界が「松山」を通して解説されている。印象的だったのは「子規」という意味は「ホトトギス」であり、真っ赤なホトトギスの口の中の色は、喀血した自らを「子規」のようだとして俳名したエピソード。そこには暗さもなく、明治という時代を生き抜いた「正岡子規」の力強さと、その友人である秋山兄弟を輩出した「松山」の魅力が感じられた。

ひゅうが飯といわれる鯛飯は3種類くらいあるそうだが、この「すしまる」では、卵の入っただし汁に鯛の身と海藻等を入れてかき混ぜ、薬味を添えたご飯にかけて食べる贅沢な食べ方。付け合わせのじゃこ天も絶品だった。
美しい街だった。たまに見かける市内電車の坊ちゃん列車の雰囲気といい、山の上に建つ松山城から眺められる瀬戸内海も市内の街並も最高だ。そこに日本三古湯といわれる道後温泉が同居しているのも何か不思議な気がする。そして何よりもその二つのエリアがうまく調和しているのがよかった。
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