漆喰芸術が目をひく建物や
カグラ建てを見ながらぶらり
九頭竜川の河口に位置する港町、三国町。越前の玄関口として、いにしえより経済の要港として発展、中でも中世以来港の発展を支えてきたのが廻船業を生業としてきた豪商たちで、森田家もその中のひとつだ。森田家は明治時代に事業を転換、銀行家として1920年に旧森田銀行本店を建築。現在は登録有形文化財として指定されている。そのレトロモダンな建物を散策することにした。
県内最古のコンクリート造である旧森田銀行。開放感あふれる吹き抜けの回廊を抜けてまずは会議室へ。見事な造岩細工が施された羽目板や繊細な職人技が光る暖炉など、目を見張る装飾が随所に施されている。また天井の漆喰装飾やギャラリーまわりのブラケットの漆喰飾りが素晴らしい営業室や重役室など、どれも見ごたえ十分だ。
西欧のレトロモダンな雰囲気が漂う旧森田銀行を後にし、次は伝統的な日本家屋が印象的な旧岸名家へと向かう。ここは三国湊で材木商を営んだ新保屋岸名惣助が代々住んでいたといわれる町家だ。こちらの建物で特徴的なのは、三国湊の町家独特といわれる「カグラ建て」。切妻造りの屋根の正面に切妻造りの片流屋根をつけた建て方で、一見すると平屋建てに見えるのが印象的だ。黒光りする梁や柱はすばらしく、2階には三国町ゆかりの人々の資料も展示されている。また周辺には紅殻色の外観が目をひく三国町屋館やレトロな雰囲気の休憩所、三國湊座なども点在。往時に思いを馳せながら、クラシカルな港町をぶらり散策したい。
今回はぶらり歩きで取材を敢行したが、レトロな港町・三国町を効率よくまわるならぜひ「三國湊座」の散策ツアーがおすすめ。三國湊座をスタート地点に、高見順生家や旧岸名家、旧森田銀行や松ヶ下山車蔵などを観光ガイド付きでまわってくれる(有料)。前日までに予約が必要。またレンタサイクルもあるので、三国町はもちろん、東尋坊から雄島、越前松島まで足をのばして爽快なサイクリングを楽しんでみるのもいい。
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