桜で有名な高遠には、ぼたんが美しい寺もある
高遠といえば桜100選の名所として全国的に有名だが、桜だけでなくぼたんがとても美しい寺がある。高遠城址公園から車で30分ほど北東にある遠照寺は、「高遠のぼたん寺」として有名。境内の上部にある畑や七面堂へ続く参道沿いを中心に白や黄色、黄色変わりなど160種2000株のぼたんが咲き誇る。この寺は嵯峨天皇時代、現在の釈迦堂の地に伝教大師最澄が薬師堂を建立したのが草創とされている古い山寺。訪れた3月31日はまだ桜のつぼみも固かったが、じきに境内近くの田や畑の土手には福寿草、境内にはしだれ桜、さらに大村桜、八重桜、山桜と続き、ぼたんが開花する美しい季節を迎えるという。
高遠は、江戸時代の絵島生島事件でも有名だ。優雅な衣裳を剥ぎ取られ、木綿着物に着替えさせられた大年寄絵島は、幕府内の権力争いと大奥の大改革であった正徳の大疑獄(絵島事件)で、高遠に遠流された。城址公園そばにある絵島囲み屋敷では高遠藩は大年寄という高い地位にあった絵島に対し、その取り扱いに慎重であり、さらに幕府の命には背かぬように細心の注意をはらっていたことがうかがわれる。しかし、ここでの絵島は不条理に耐え、33歳から生涯を閉じる61歳までの28年間を朝夕一汁一菜、読経と写経を行う常精進の生活を送ったという。遺言により埋葬された蓮華寺の裏山裾には絵島の墓があり、検死問答書、夜具の表地、過去帳、位牌などもある。女人成仏として信仰を集めている蓮華寺は、ぼたんやシャクヤクなどがきれいな寺でもある。




















