アルピニストの憧憬穂高の山々を望む
かの有名な作家、井上靖の山岳小説「氷壁」。主人公の魚津恭太が前穂高岳東壁を登攣中に、パートナーの小坂が滑落。魚津と小坂を結ぶナイロンザイルが突然切れてしまうという実際にあった事件をモデルにした小説だ。この舞台となった穂高連峰を訪ねてみた。
めざすは新穂高温泉郷。まずは小説の中で魚津が泊まったとされる温泉宿を訪ねる。そそりたつ雄大な北アルプスを背に、ひなびた風情をかもし出す湯宿は小説の舞台そのものだ。宿のそばには温泉の足湯や飲泉場もあり風情満点。その後は天に向かってそびえる槍ヶ岳を望みながら新穂高ロープウェイへと向かう。
北アルプスの大パノラマを楽しめる新穂高ロープウェイ。山麓の駅からロープウェイを乗り継いで標高2156mの西穂高口駅まで、しばしの天空の旅が楽しめる。第1ロープウェイの到着駅、鍋平高原駅には散策ができる高原や温泉が、山頂の西穂高口駅には展望台や千石園地があり、新穂高温泉郷屈指の観光スポットとしても人気だ。
山頂から望む穂高連峰はまさに言葉を失うほどの絶景だ。ダイナミックで壮観な山々を見ていると、主人公の魚津と小坂の壮絶なシーンを思い出さずにはいられない。
再びロープウェイに乗り、新穂高温泉駅へ。ふもとにはアルピニスト御用達の温泉浴場や立ち寄り入浴スポットが点在する。タオル片手にぶらっと立ち寄ってみたい。(取材日:2006年9月23日)




















