赤カブでぐいっと一杯
今年は高山でさえ、雪が少ない。正月初めの三連休(1月6-8日)に降ったのは北陸並みの湿った雪だった。いつもの雪だと乾いていて、しかも重いのだそうだ。かちんこちんに固まって「雪またじ(かたづけ)が大変」らしい。
今のところ古風な町の景観に、さらに純白の装いを求める向きにはいささか拍子抜けでも、この季節の山都らしい風情はいくらでも見られる。
高山陣屋の前に6、7軒の露店が出ている。朝市である。野菜や漬物、土産品のさるぼぼなどを並べて陣屋観光の客を待つ。
「夏場は5、60軒も出るけど今はオフシーズンなんで、こんなもん。暖かい日が続いて店を出してても楽だけどね」と近郊農家の主婦。
名物の赤カブ漬けでもいろいろある。甘酢、しな漬け、丸漬け。11月に収穫し、雪の来る前に漬け込むのだという。もちもある。きねと臼を持ち出して、みんなでもちつきする風景がこのあたりの農家でも珍しくなった。
「うちでもお正月の1回きりになってまってね」。商売用は動力でつくが、きねつきだからベタもちにはならないそうだ。朝市は宮川の右岸にも立つ。ここも冬場は出店がぽつりぽつり。
宮川は北に向かって流れている。JR高山線の車内でも案内放送されるが、神通川となって富山湾に流れ込む。ただ、高山が海からさほど遠くないという、その感覚がつかみにくい。街中に飛騨牛には及ばずともすし屋ののれんをけっこう見かけるし、味も自慢とかだが…。
もっとも一昨年の大合併で、高山市のイメージは相当変わってきたかもしれない。市域は15倍に拡大し、日本一の広さに。
乗鞍までがエリアに入るから3千メートル級の山々が市内というわけだ。
それでも、やはり高山といえばうまい酒の話がよく似合う。恒例の「酒蔵めぐり」が始まり、三月いっぱいまで続く。




















