断崖から雄大な日本海を望み
黄金色に輝く夕陽に心を奪われる
紺碧の日本海を眼前に、荒々しい姿を見せる東尋坊。福井ではもちろん、日本でも有数の名勝地だ。東尋坊にはその険しい姿とは対照的にはかなく切ない悲恋伝説が残る。その昔、東尋坊という名の怪力の悪僧が美しい姫君に心を奪われ、恋敵である僧・真柄覚念と激しくいがみ合った。ある時、岩場の上で酒盛りを催した真柄覚念は東尋坊を断崖絶壁から突き落としてしまう。そのとたん暴風雨が四十九日続き、その後も毎年命日にあたる4月5日には東尋坊の怨霊が大波と化し、岩壁を激しく打ちつけたと伝えられる。
そんな伝説を背景に、奇勝・東尋坊を散策することにした。まずはみやげもの屋が立ち並ぶ東尋坊商店街を散策。日本海の新鮮な海の幸を使った名産品が並び、イカやホタテなどの浜焼きの香ばしい匂いがあたり一面立ちこめて賑やかな雰囲気だ。店先を冷やかしながらさらに断崖絶壁へと歩を進める。遊覧船乗り場を過ぎるとその先にあるのは通称「大池」と呼ばれる岩場の展望テラス。ここからの眺めは圧巻の一言。青々と広がる空と溶け合うような水平線、どこまでも続く雄大な海、白いしぶきを上げながら打ちつける波…。ダイナミックな眺望は旅の忘れられない一コマだ。
「ここは、日本の夕陽百選にも選ばれていますよ」とみやげ店の主人から聞き、奇岩見学を楽しみながらしばし夕陽を待つことに。やがて海が黄金色に染まり、燃えるような太陽が水平線に沈んでいく。この絶景を心に刻み、東尋坊を後にした。
ゴツゴツとした岩が続く東尋坊はいささか歩きづらいところもあるので、ぜひスニーカーか歩きやすい靴で訪れるのがおすすめ。また海を望む景色はもちろんのこと、ぜひ見ていただきたいのが「輝石安山岩の柱状節理」という奇岩。これは世界にも東尋坊を含めて3ヶ所しかないといわれている。散策をたっぷり楽しんだ後は、みやげもの屋でひと息。香ばしい浜焼きはやはり海の町ならではの醍醐味のひとつだ。
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