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【福井】守るのは地球か地域か 南越前と敦賀境界の風力発電計画

ジャンル・エリア : 福井  2009年01月26日

ゲレンデの向こうで霧に覆われる鉢伏山。山の右手の北側の尾根に風車が設置される=南越前町の今庄365スキー場で

ゲレンデの向こうで霧に覆われる鉢伏山。山の右手の北側の尾根に風車が設置される=南越前町の今庄365スキー場で

 南越前町と敦賀市の境界で民間会社が風力発電施設の建設を計画している。クリーンエネルギーとして注目を集める一方で、騒音、生態系への影響を懸念する声も。そんな中、地元住民は建設への大きな一歩となる同意の意向を近く示す。

 
 「騒音は大丈夫か。クマやイノシシが里に下りてこないのだろうか。地元はほとんどが林業。杉への影響はないのか」。鹿蒜(かひる)地区長会長の吉羽(よしば)壮太郎さん(63)=南越前町新道=は大桐、二ツ屋など計画地近くの鹿蒜地区5集落の不安を代弁する。

 設置するのは風力発電会社「クリーンエナジーファクトリー」(北海道根室市)。「海に近く発電に必要な風が得られる。集落からも離れている」と、2007年12月ごろから地元への説明を始めた。鉢伏山以北数キロの尾根伝いで、面積などは未確定という。

 建設するのは12基で1基当たり1時間2500キロワットを発電。国内では中規模の施設に相当し、関西電力に売電する。「最寄りの民家から1キロ以上離れ、基準をクリアしている。他県の調査ではイノシシなどは増えていない。送電線を地中に埋め、鳥が衝突しないよう配慮する」と担当者。13年の運転開始を目指す。

地図

地図

 ハードルはほかにもある。計画地はほとんどが国の保安林。建設には指定解除が必要だが、全国的にみても類似施設設置のための指定解除の例はわずか。林野庁は「ほかの場所では駄目なのか、必要最低限の面積かなど精査しなければならない」と厳しい見解だ。もう一つは景観。近くには戦国期の木ノ芽峠の城さい群跡などがあり、町教育委員会は新旧の建造物が交じる点を懸念する。

 ク社が補助金、開発許可を申請するには地元住民、町などの同意が必要。1年余り協議した鹿蒜地区は「税収が増え観光客増加につながるかもしれない。地球環境も守れる」と2月上旬にも総会で同意決定する予定だ。敦賀市側の5地区は昨年1月に合意している。

 茨城県つくば市では、小型風力発電機が発電せず、市などが東京高裁で係争中。低周波音の健康被害を指摘する声もある。守るのは地球か、地域の暮らしか。環境問題は難しい判断を求められる時代を迎えた。

 (持田則子)

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