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【富山】ゆったり滞在 本物志向 東海北陸道全通 玄関口・南砺の観光戦略

ジャンル・エリア : 富山  2008年07月07日

東海北陸自動車道が全線開通し、大勢の観光客でにぎわう世界遺産「菅沼合掌造り集落」=5日、南砺市菅沼で

東海北陸自動車道が全線開通し、大勢の観光客でにぎわう世界遺産「菅沼合掌造り集落」=5日、南砺市菅沼で

 東海北陸自動車道が全線開通した。県の玄関口となる南砺市では、大きなチャンスにさまざまな新しい観光戦略が動きだしている。そこには集客数が増えればいいという考えとはひと味違う、観光客との良好な関係を築こうとする思いがある。 (飯田竜司)

 

●人数より親密さ

 五箇山の世界遺産合掌集落をはじめ、城端の曳山(ひきやま)、井波彫刻、利賀のそば、棟方志功ゆかりの福光など南砺市には合併前の旧八町村それぞれの豊かな観光資源がある。だが裏を返せば、旧町村の個性は市全体を売り出す上で統一性を欠く難点でもあった。

 これに対応したのが、全通した五日に発売した「なんとに来(こ)られパス2008」。市内十七の観光施設と十一の日帰り温泉を割安で利用できる五枚つづりの周遊回数券だ。パスを提示すれば紙すきや彫刻、そば打ちなど八カ所の体験施設でも割引が受けられる。

 複数の市内観光地の訪問や体験を通し、全市の魅力を浸透させる戦術。健名史朗・市観光連盟事務局長は「観光客の数は求めていない。いかに市内での滞在時間を延ばしてもらえるかが大切」とし、各観光客との“少しでも長くて深い関係”を目指す。

●素朴さ生かす

 五箇山の世界遺産集落でも新たな試みが始まっている。相倉合掌造り集落は、全通に合わせ三-五日にライトアップ。八、九、十一月と二〇〇九年三月にも三日間ずつ行い、以降も定期的に点灯する。

 世界遺産相倉合掌造り集落保存財団の池端滋理事長によると、他の合掌集落で見られるような派手で多くの誘客を狙った「観光的なライトアップ」ではなく、少なめの照明で屋内からこぼれる窓明かりを活用。「生活のにおいがする素朴な明かり」を楽しんでもらう。集落内の民宿宿泊客へのもてなしの気持ちも込める。

 五箇山の合掌集落は、岐阜・白川郷に比べ知名度や集客力で劣る半面、観光地化され過ぎず、その素朴さや風情を求めて訪れる人が多い。池端理事長は「相倉は自然と人間の関係が感じられる良い形の世界遺産。あまり騒々しくなく受け入れられるのがいい」と全通による観光客の急な増加を求めない。

   ■  ■

 菅沼合掌造り集落では今春から、集落一帯の散策マップを駐車場利用者に配布。集落内をのんびり歩いて楽しむ観光を提案している。

 「本物志向に応えられる観光地」を貫こうと、南砺市が目指す滞在型観光重視の取り組み。市は今後産業観光にも力を入れていく考えだ。

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